先手:藤井聡太三段 後手:佐々木勇気五段 手数----指手---------消費時間-- *▲藤井聡太三段 △佐々木勇気五段 第23回岡崎将棋まつり 平成28年5月1日 持ち時間:1手20秒 藤井聡太「三段」は表記ミスではなく、実際に三段当時のものです。 (藤井四段が三段だったのって数ヶ月ですけどね) 将棋世界2016年7月号に掲載された棋譜です。 終盤で詰めろ逃れの詰めろが飛び交う大激戦。 棋譜コメは将棋世界の記事を元に最小限に。 ただし終盤のハイライトのみ、ソフトで確認した詰み手順を載せています。 詳細は電子書籍や図書館など各自でご覧ください。 1 7六歩(77) 2 8四歩(83) 3 6八銀(79) *矢倉の出だし。 4 3四歩(33) * 5 6六歩(67) 6 6二銀(71) 7 5六歩(57) 8 5四歩(53) * 9 4八銀(39) 10 4二銀(31) 11 5八金(49) 12 3二金(41) 13 7八金(69) 14 4一玉(51) 15 6九玉(59) 16 7四歩(73) 17 6七金(58) 18 5二金(61) 19 7七銀(68) 20 3三銀(42) 21 7九角(88) 22 3一角(22) 23 3六歩(37) 24 4四歩(43) 25 2六歩(27) 26 4三金(52) 27 3七銀(48) 28 6四角(31) 29 4六角(79) 30 3一玉(41) 31 7九玉(69) 32 2二玉(31) 33 8八玉(79) 34 9四歩(93) 35 9六歩(97) 36 5三銀(62) 37 1六歩(17) 38 7三桂(81) 39 2五歩(26) 40 6二飛(82) 41 1五歩(16) 42 4五歩(44) 43 6八角(46) 44 8五桂(73) 45 8六銀(77) 46 5五歩(54) 47 5五歩(56) 48 4四銀(53) 49 2四歩(25) *48手目まで佐々木五段は経験のある形だったが、▲2四歩が「新感覚の手」(佐々木五弾) 50 2四歩(23) 51 2五歩打 52 2五歩(24) 53 1七桂(29) *強引に攻め駒を捌く。 54 5五角(64) 55 4六歩(47) 56 5三銀(44) 57 3五歩(36) 58 2四銀(33) 59 3四歩(35) 60 3四金(43) 61 2六歩打 62 4二銀(53) 63 2五歩(26) 64 3三銀(24) 65 1四歩(15) 66 9五歩(94) 67 9五歩(96) 68 9七歩打 69 9七桂(89) 70 5七歩打 71 5七角(68) 72 5六歩打 73 6八角(57) 74 5二飛(62) 75 8五桂(97) 76 8五歩(84) 77 8五銀(86) 78 5四桂打 * 79 7七金(78) *代えて▲3五歩△同金▲4七桂の攻めも有力とのこと。 80 4六桂(54) 81 3五歩打 82 4四金(34) 83 4七桂打 84 5八桂成(46) * 85 5五桂(47) 86 6八成桂(58) 87 6八金(67) 88 5七歩成(56) 89 7八金(68) 90 2七歩打 91 2七飛(28) 92 4九角打 93 2六飛(27) 94 5五飛(52) 95 2四歩(25) 96 3五金(44) 97 3四歩打 *飛車取りを手抜いて迫る。 98 2六金(35) 99 3三歩成(34) 100 3三玉(22) 101 2六銀(37) 102 6七と(57) *▲同金寄とする手もありそうだが、藤井三段は強く出る。 103 3五銀(26) *次に▲3四金からの詰めろだ。 ## 分岐 - #43026 104 7七と(67) 105 9七玉(88) *▲9七玉でしのぐ。先手玉はギリギリ詰まない。 先日「AbemaTV炎の七番勝負」で第1局が放送されたが、増田四段の攻めをしのいだ手も奇しくも▲9七玉だった。 106 9六歩打 107 9六銀(85) * 108 7六角成(49) *詰めろ逃れの詰めろ(1) 本局最初の詰めろ逃れの詰めろ。7六の馬が、前述の手順の▲3二銀成を防いでいる。 ## 分岐 - #42944 109 3四銀打 110 2二玉(33) 111 2三歩成(24) 112 3一玉(22) 113 3二と(23) 114 3二馬(76) 115 4三歩打 *馬筋を遮断する。 116 2七飛打 * 117 2二金打 *金の犠打。 118 2二玉(31) 119 2三歩打 120 3一玉(22) 121 2二金打 * 122 2二馬(32) 123 2二歩成(23) 124 4一玉(31) 125 3二角打 *後手玉に迫りながら、次の▲4二歩成で先手玉の受けにも利いてくる。 126 5二玉(41) 127 4二歩成(43) 128 6一玉(52) *## 分岐 - #43354 129 8五桂打 *詰めろ逃れの詰めろ(2) 本局2度目。 次に▲4三角成△7一玉▲4四馬△5三桂▲8二銀(!)△同玉に、▲5五馬と王手で飛車を外しながら詰ます順がある。 藤井三段はそこまで読んでの▲8五桂だったが、佐々木五段はこれも読み切りだった。 ## 分岐 - #42946 ★補足:僕の環境では、この一手前での先手玉の詰み筋がわかりませんでした。 将棋世界ではこの手が「詰めろ逃れの詰めろ」ということですが、確認できた方がいたらコメントしてくださると嬉しいです。 130 5九飛成(55) *詰めろ逃れの詰めろ(3) 本局3度目の詰めろ逃れの詰めろ。 前述の▲5五馬を無効にしながら、△9九竜からの詰みを狙っている。 ## 分岐 - #42949 131 4三角成(32) * 132 7一玉(61) 133 5三角打 *王手をかけながら自陣に効かす。 134 8一玉(71) 135 7三桂成(85) *退路を塞いでいた8五の桂馬を成りながら詰めろをかけるが、これでも先手玉は詰んでいた。 136 9九龍(59) * 137 8六玉(97) 138 7六金打 139 7六馬(43) 140 7六と(77) 141 7六玉(86) 142 7五金打 143 7五角成(53) 144 7五歩(74) 145 8五玉(76) 146 9六龍(99) 147 9六玉(85) 148 8四桂打 149 8六玉(96) 150 7六金打 151 8五玉(86) 152 9六角打 153 8四玉(85) 154 9三銀打 *まで、154手で佐々木五段の勝ち。 これが20秒将棋の内容です。藤井三段(当時)も佐々木五段も、どちらも強いし、恐ろしいです。