先手:先手 後手:後手 手数----指手---------消費時間-- *今回から先手早繰り銀について書いていきます。 基本的に正調角換わりにおいては後手の反撃が厳しく指されることは多くはありませんが、それでもアマ間では指される方も多いので見ていきましょう。 ※正調角換わり...手損しない普通の角換わり。一手損角換わりとの区別のため便宜上このように表現しています。 1 7六歩(77) 2 8四歩(83) 3 2六歩(27) 4 8五歩(84) 5 7七角(88) 6 3四歩(33) 7 8八銀(79) 8 3二金(41) 9 7八金(69) 10 7七角成(22) 11 7七銀(88) 12 4二銀(31) 13 3八銀(39) 14 7二銀(71) 15 1六歩(17) *端歩を突くのが特徴です。 この手は省けないもので、理由は棒銀の項を読んでいただいた方にはわかると思います。 **△1五角の王手飛車の筋を消す**ということでしたね。 とはいえ、序盤の端歩の突き合いは序盤の駆け引きでしばしば見られるものなので、「端歩を早めに突いてきたから早繰り銀だ。」などと決め打ちはしない方が良いでしょう。 なお、早めに端歩を突いてきたり、早めに右桂を跳ねてきたら右玉の可能性もあります。 16 1四歩(13) 17 2五歩(26) 18 3三銀(42) 19 3六歩(37) *先手が早繰り銀を志向します。 棒銀との違いは平たく言えば3筋の歩交換もできるということです。 とはいえ**飛車のこびんが開くデメリットが大きい**ため、後手からの反撃が一層厳しくなってきます。 20 6四歩(63) 21 3七銀(38) 22 6三銀(72) 23 4六銀(37) *棒銀は▲3八~2七~2六銀と活用し、 早繰り銀は▲3八~3七~4六銀と活用していきます。 24 5四銀(63) *早繰り銀には△5四銀型を早々に作ります。 これは大事なことで△4二玉などとしてしまうとわざわざ戦場に自分から近付いてしまうことになりますし、後述しますが反撃が間に合わなくなってしまいます。 25 3五歩(36) *まずは先手がすぐに仕掛ける順を見ていきましょう。 26 3五歩(34) 27 3五銀(46) ***後手は絶対に覚えておきたい三手ひと組の早繰り銀対策への常とう手段があります。** 三手考えてください。 ## 分岐 - #3385 28 8六歩(85) 29 8六歩(87) *▲同銀は△5五角なので▲同歩の一手です。 30 8五歩打 *先手が3筋歩交換したのを逆用して、**継ぎ歩攻めが早繰り銀への反撃手です。** ▲同歩には△同飛で銀桂両取りが決まり一気に後手が良くなります。 したがってこの歩は取れません。 31 2四歩(25) 32 2四歩(23) 33 2四銀(35) 34 2四銀(33) 35 2四飛(28) 36 2三歩打 37 2八飛(24) 38 8六歩(85) 39 8八歩打 *歩成が入ると終わってしまうので受けるしかないところです。 結果図は8筋を土下座させた後手が指しやすいでしょう。 互角のまま終盤を迎えれば玉が狭く先手は厳しい戦いを強いられることになりそうです。 なお、▲8八歩に代えて ▲8三歩△同飛▲5六角と攻めるのは、以下△7四角として ①▲同角△同歩の進行は継続手が難しく、8筋を結局受けることになりそうです。 後手は飛車のこびんが開いていることを突いて△3六歩や△6五歩~6四角などとして飛車を目標にすれば十分でしょう。 ②▲2三角成には△8七歩成~△4七角成として挟撃体制を築けば後手優勢か。 # まとめ ###### 居玉のまま▲3五歩と仕掛けるのは無理 後手は▲3五歩△同歩▲同銀の瞬間に8筋継ぎ歩攻めから反撃して十分 次回は継ぎ歩攻めに代えて後手の異なる反撃手を見ていきます。 **※分岐が続きになります。早繰り銀の大本の記事は本記事だけです。**