棋戦: 開始日時:2016年08月26日(金) 11:46:47 終了日時: 手合割:平手 先手:プレイヤー 後手:プレイヤー 手数----指手---------消費時間-- *角換わりの合間を縫って奇襲戦法やら対抗型の解説もちょろちょろと書いてみます。 今回は四間飛車の天敵である居飛車穴熊についてです。 1 7六歩(77) ( 0:03/00:00:03) 2 3四歩(33) ( 0:04/00:00:04) 3 2六歩(27) ( 0:01/00:00:04) 4 4四歩(43) ( 0:02/00:00:06) 5 4八銀(39) ( 0:02/00:00:06) 6 4二飛(82) ( 0:02/00:00:08) *ノーマル四間飛車を後手が明示します。 細かい駒組の手順については触れませんので、詳しく知りたい方は「四間飛車破り 居飛車穴熊編」や「四間飛車激減の理由」を購入して一読することをオススメします。 7 5六歩(57) ( 0:03/00:00:09) *5筋は早めに突いて構わないでしょう。 というのも△4五歩ポンと呼ばれるような突然角道を開けてくることが稀にあるためです。 そのような時に5筋を突いていないと▲5七銀と上がって飛車先交換を受けることが難しいためです。 なお、飛車先を早めに突き越している場合に▲2六飛と浮いて受けることもできますが、角交換から△4四角が激痛なのでやめておきましょう。 8 6二玉(51) ( 0:03/00:00:11) *今時穴熊への牽制をしないのも珍しいですが、今回は四間飛車側が穴熊を許す指し方を見ていきます。 9 6八玉(59) ( 0:03/00:00:12) *▲5八金と先に上がる手もありますが、4枚穴熊に組む含みがなくなってしまうので後回しです。 実戦では胡散臭い駒組をされることも多いので、含みを残して序盤を進めることが大事です。 ex. △4二銀と矢倉模様に見せかけてから飛車を振る この例に関して言うなら、△3二銀型四間飛車に組むことができなくなるので序盤の駒組としてはどうなのかな?と思います。 10 7二銀(71) ( 0:02/00:00:13) *級位者の対局でしばしば見かけますが、角交換の余地があるのに△7二銀と上がってしまうと角交換から▲8二角と打ち込まれるので気をつけましょう。 ただし、馬が隠居しがちなのでこの打ち込みで優勢になるかと言われるとなんとも言えないと思います。 11 7八玉(68) ( 0:02/00:00:14) 12 7一玉(62) ( 0:02/00:00:15) 13 5八金(49) ( 0:05/00:00:19) *本譜は先に金を上がってみます。 4枚穴熊に組めたら堅いですが、手を作るのが難しいため慣れない内は無難に3枚穴熊を目指すのが良いと思います。 14 3二銀(31) ( 0:02/00:00:17) 15 5七銀(48) ( 0:04/00:00:23) *後手の立場からすれば、この銀上がりを見て先手が穴熊か右銀急戦のどちらかを志向しているのかなとなんとなく予想できます。 けれども右銀急戦をやる人はあまりいないので大方穴熊であると考えて結構でしょう。 16 5二金(41) ( 0:03/00:00:20) *先手が急戦志向の場合には△5二金を保留する方が手広いと思います。 というのも最有力(?)とされる棒銀に大して△3二金型で迎え撃つ余地がなくなってしまうためです。 **序盤は手広い駒組を心がける** 17 2五歩(26) ( 0:02/00:00:25) *そろそろ飛車先を突き越しても良いでしょうか。 というのも、△3三角と早めに決めさせてしまうと前述した△4五歩ポンがあって乱戦に持ち込まれるのが鬱陶しい+飛車先を突き越す手よりもある程度玉型整備に手を回しておきたかったためです。 なお、いつまでも保留しておくと後手に動かれたときに反撃が一手遅くなってしまうので、機を見て突き越しましょう。 (この辺は何度も指していればなんとなくタイミングがわかってきます) 18 3三角(22) ( 0:02/00:00:22) 19 7七角(88) ( 0:02/00:00:27) 20 8二玉(71) ( 0:03/00:00:25) 21 8八玉(78) ( 0:02/00:00:29) 22 9四歩(93) ( 0:03/00:00:28) 23 9八香(99) ( 0:02/00:00:31) *なお、▲3六歩は藤井システムへの牽制等が無ければ玉型整備が済むまで突かない方が安全でしょう。 24 4三銀(32) ( 0:06/00:00:34) *△4三銀を見たら先手は玉頭銀を警戒した方が良いと思います。 **△4三銀〜5四銀〜6五銀とされたときに、角頭を守る手が間に合うのか常に考えておきましょう。** なお、玉頭銀をされた場合に▲7五歩と緊急回避するのはだいたいロクな事がないのでやめた方が賢明です。 25 9九玉(88) ( 0:02/00:00:33) 26 6四歩(63) ( 0:07/00:00:41) *この手を見て桂の活用をしてくるんだろうな、と予想します。 27 8八銀(79) ( 0:02/00:00:35) *ハッチを閉めて一安心です。 一万円の価値がある手ですね。 28 7四歩(73) ( 0:02/00:00:43) *桂の活用が濃厚になってきました。 先手の次の一手を考えましょう。 29 6六歩(67) ( 0:02/00:00:37) ***△7四歩を見たら▲6六歩**が呼吸です。 桂は出足が早いのでボンヤリしてると両取りをかけられて序盤からリードを許してしまいます。 30 4五歩(44) ( 0:02/00:00:45) *大方この辺りで後手は角道を通してきます。 31 6七金(58) ( 0:04/00:00:41) *いつ△6五歩と動かれても大丈夫なように早めに上部を補強しておきます。 32 7三桂(81) ( 0:02/00:00:47) 33 3六歩(37) ( 0:02/00:00:43) *そろそろ3筋を突きます。 角は右辺で使うのでここを突いておかないと話になりません。 34 6三金(52) ( 0:04/00:00:51) 35 5九角(77) ( 0:02/00:00:45) *3筋を突く前に▲5九角とするのは手順に脈絡がなく、後手に動かれたときに角が負担になってしまうことがしばしばありますので注意。 駒組の手順に意味を見出すのは大事な事です。 36 4四銀(43) ( 0:04/00:00:55) *後手が△4四銀型を志向します。 攻撃的な形ですが、対応策をしっかり覚えておけば然程脅威ではありません。 37 2六角(59) ( 0:04/00:00:49) *後手の動きを牽制するために▲2六角型を作ります。 この手に代えて▲7九金も自然ですが、先に▲2六角型を作っておいた方が松尾流の余地も残り手広いです。 ※理由は長くなるので省きますが、△4四銀型に松尾流を組むのはあまりオススメできません。 ただし余程後手が緩手を重ねた場合にはこの限りではありません。 38 5四歩(53) ( 0:07/00:01:02) *後手から△5五歩と仕掛けられるのはいやらしいですが、本譜は▲2六角型の仕掛けを紹介するので今回はやりません。 39 1六歩(17) ( 0:02/00:00:51) *この歩の意味はわかるでしょうか。 「▲1五角とぶつけますよ」との主張です。 40 1四歩(13) ( 0:02/00:01:04) *後手としては角交換は避けたいので端歩に付き合います。 端歩の交換を入れることでどこかで△1五角と出られる手を消しています。 なお、もっと序盤で端歩を突くと振り飛車側は端歩に付き合ってくれません。 **優先順位、手順の脈絡を考えた駒組をすることをオススメします。** 41 7九金(69) ( 0:04/00:00:55) *ようやく穴熊が完成します。 この形は堅さとしては脅威的と言えるほどではありませんが、▲7八飛と展開する事ができるのが利点です。 42 8四歩(83) ( 0:04/00:01:08) *この手が緩手と気付いた方はお強いと思います。 **ここでの後手の最善手は△5三銀です。** 詳しくは次回以降解説。 43 4八飛(28) ( 0:02/00:00:57) *先手は後手のミスに機敏に反応して動きます。 44 8三銀(72) ( 0:11/00:01:19) *これは緩手とすら言って良いのか… 先手から仕掛けが見えてるのに悠然と銀冠を目指すのは良くありません。 **銀冠へ組み替えるときは相手からの仕掛けが無いことを確認してから** とはいえ、級位者等には仕掛けがあるかどうかの判断は難しいのが実際問題です。 たくさん指して、たくさん負けて、一局の中に悪手を1つ見つけることを続けていればその内身につくと思います。 45 4六歩(47) ( 0:02/00:00:59) *1度目のチャンスは〜みたいな大家の言もありますが絶好のチャンスを逃すのはお門違いです。 先手は早速仕掛けていきます。 46 4六歩(45) ( 0:02/00:01:21) 47 4六銀(57) ( 0:02/00:01:01) 48 4五歩打 ( 0:02/00:01:23) *一見してこれだけで局面は収まりそうですが、先手に好手順があります。 5手考えてみましょう。**難問** (手順前後しても結果が同じなら構いません) 49 4五銀(46) ( 0:02/00:01:03) 50 4五銀(44) ( 0:02/00:01:25) 51 4三歩打 ( 0:02/00:01:05) 52 4三飛(42) ( 0:01/00:01:26) 53 4四歩打 ( 0:02/00:01:07) 54 4四角(33) ( 0:03/00:01:29) 55 4五飛(48) ( 0:02/00:01:09) *▲2六角型の代表的な仕掛けにこのような手順があるので覚えておきましょう。 今回は先手が機敏に動いた結果先手優先となりました。 次回は後手が対応を変えていきます。(いつ更新するかは未定) # まとめ ###### △4四銀型には▲2六角型で対抗するのが有力。 ①△4四銀を見て▲2六角型を目指す。 ②△8三歩(△9五歩や△1二香なども同様)を見て▲4八飛と仕掛けを見せる。 ③角のラインを活かして飛車角銀で4筋を突破。