先手:先手 後手:後手 手数----指手---------消費時間-- *先に攻めたのは先手なのに、角を先に手に入れることができるのは後手である。という将棋の奥深さを教える有名定跡。 棋書に良く載る定跡は22手目で角を封殺して後手優勢で終わるが、途中で変化することもでき、意外にも後手良しながらも難しい変化になることもあります。 (この棋譜は良く棋書に載る22手の定跡) 1 2六歩(27) 2 8四歩(83) 3 2五歩(26) 4 8五歩(84) 5 2四歩(25) *ここでは▲7八金とするのが一般的ですが、五手爆弾の棋譜なので当然先攻をとるために(とれない)▲2四歩とします。 6 2四歩(23) 7 2四飛(28) *飛車先を破って先手好調!に見えますが・・・ 8 8六歩(85) * 9 8六歩(87) * 10 8七歩打 *ポンポンポンと3手進むと、不思議なことに先に角頭に歩を叩き付けたのは後手のほう。2筋で交換した歩が利用されてしまっているのです。 将棋の妙味を知るという意味では、この定跡はここで終わらせて良いくらいに美しい局面です。 11 2三歩打 *しかしこの後はどう続くかというのは気になるところです。 先行はとれませんでしたが、先手も歩を叩きつけます。 12 8八歩成(87) 13 8八銀(79) *ここは冷静になり、と金を排除します。 冷静にならない場合は▲2二歩成△7九と▲3一と△6九と、と進めてみましょう。なんと王手となり▲4一とが指せません(反則)。金を丸損することになります。 この△6九との局面も なかなか珍妙で味わい深い局面だと思います。 14 3五角打 *△3五角が決め手とする定跡書も多くあります。後手だけ馬が作れて主導権を握ったとするためです。 15 2八飛(24) 16 5七角成(35) 17 2二歩成(23) *玉の目の前に馬がおり、なかなか絶望的な気分になりますが、なんとか角の入手することには成功しました。 ここで難しいのが銀と飛車、どちらで この と金を払いとるかです。初見では銀でとってしまいそうです。私はとりました。 18 2二飛(82) *ここは飛車で取るのが紛れを消す好手です。 銀で取ると、▲4五角をくらってしまい、角成を受けようとすると2二の銀への飛車効きが切れてしまうという辛い状況に陥ります。 なお△6二飛で受けると、飛車効きは止まりませんが ここで▲5二歩が絶好手で結局馬を作られてしまいます(後手の馬作成がこんなところで跳ね返ってくるとは面白いものです)。こうなると互角とみて いいかもしれません。 19 2三歩打 *ここで飛車交換は 後手の馬だけが残るので損です。なので▲2三歩はこの一手。 さて、次の飛車の逃げ場所は・・・ 20 1二飛(22) *1二が、ほとんどの定跡書で紹介されている飛車の逃げ場所です。 2二に角を打ち込まれたときに、香車へ紐をつけているので安心という手です。 他の場所に飛車を逃げた場合は、2二角から攻め込まれて辛いとの見解ですが・・・(以下、別棋譜にて記述するかも ^-^) 21 2二角打 *それでも打ちます▲2二角。当然とってはいけません。 22 2四歩打 *これにて打った角を封殺し、後手優勢となります。 実際は▲2二角が悪手ですので、他の手(体勢を立て直す▲7八金とか)を指していければ、後手の飛車の位置が悪く、先手もまだ頑張れる(むしろ互角以上もあるかも)局面かと思います。 以上、五手爆弾でした。プロ棋戦でも登場したこともあります、よろしくおねがいします。