先手:先手 後手:後手 手数----指手---------消費時間-- *原始棒銀とはなにか。 そう聞かれればほとんどの経験者はこう思うだろう、「初心者向けの戦法」と。 あらゆる振り飛車対策の中で最も稚拙、そもそも戦法として成り立っていないなどと言われるが、一手でも対応を間違えればプロですらアマチュアに負けかねない最悪な事態になりうる。 そんな原始棒銀に辛酸を舐め尽くした私が稚拙ながら原始棒銀対策について考えたいと思う。 これは、四間飛車党の長く険しい道のりの序章にすら過ぎないのだ。 1 2六歩(27) *今回は先手が原始棒銀。後手が四間飛車という形でお送りする。 初心者のうちは先手後手などを気にしない人も多いが、先手が一手だけ多く指せる分、攻める側になりやすく、後手は守りつつ反撃するパターンになりやすい。 2 3四歩(33) *四間飛車にするための第一歩。 この歩を突かずにいきなり四間飛車にすると、次の相手の一手で非常に困ることになる。 3 2五歩(26) *飛車先の歩をたった2回だけ動かしたこの局面はすでに戦いが始まっていると言っても過言ではない。 4 3三角(22) *この手をみすみす逃して飛車を動かしてはいけない。もう一度飛車先の歩を突かれてしまうと序盤からかなり勝ちにくい展開になってしまう。 インターネット将棋ではタップミス(操作ミス)や急ぎ過ぎによってこの段階で失敗している人を見かける。 5 3八銀(39) *序盤ではやや珍しい手。 相居飛車の場合はありうるのだが、まだ後手が態度を表明していないので先手が若干損している。 振り飛車党ならこの手を指された時点で、相手が棒銀系の戦法を指すのではないかという予測を立てられるようでなければならない。 6 4二飛(82) *差し迫った脅威がなくなったので、ここでようやく後手は飛車を振ることができる。 もし相手が角道を開けてきた場合は、飛車を振る前にこちらの角道を止めておく必要がある。 7 2七銀(38) *先手もいよいよ原始棒銀の態度を明らかにする。 ここから先手が飛車を振る展開も無くはないのだが、その場合はまた別の機会に。 振り飛車党の大半がまずこの手を見て思うことは「センスが悪すぎる」の一言だろう。 振り飛車党はセンスが問われるので、こういった味悪な手を許す展開にしてはいけない。 8 3二銀(31) *初心者は王様を上がるよりも先に、この手を優先して指しておきたい。 理由は色々あるのだが、ここから相手が激しく仕掛けてくる場合があるからだ。