手合割:平手   手合割:平手 先手:石田流三間飛車 後手:鏡の左早繰り銀 手数----指手---------消費時間-- *◆【第3回 誰も知らないマイナー戦法】 単純明快!「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」 今回紹介するのは、先手早石田に24手で有利となる新戦法! GAVA流「鏡の左早繰り銀 新xaby角戦法」です。 先手石田流に対し、美濃囲いを強制させて2七地点へ居飛車の理想陣「早繰り銀戦法」を狙う破壊力抜群の戦法! 変化も少なく、初心者でも簡単に覚えられる攻撃特化の戦法なのでぜひお試しあれ。 *------------* 作者:マイナー将棋ブログ https://minorshogi.com/ 本データ掲載記事:https://minorshogi.com/3st-minor-tactics-that-no-one-knows-part2/ 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *それではさっそく初手からの解説を始めましょう。 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *本戦法は後手の戦法です。 3 7五歩(76) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲7五歩と突き、石田流を明示します。 4 8八角成(22) ( 0:00/00:00:00) *4手目△8八角成! * *これで先手に▲6六歩~▲7八飛~▲7六飛の「石田流本組み」に組ませる事を阻止します。 5 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *大体はここで▲8八同銀と取る事でしょう。 * *ここから次の一手ですが、△1四歩~△3二銀と上がると、先手からの▲7四歩~▲5五角の変化が生じます。(それも後手十分でしたが、そもそもそんな変化を覚える事すら煩わしいというのが本音でしょう。) * *というわけで…そんな変化を消して「鏡の左早繰り銀」へ確実に組もうとするGAVA流の次の一手があります。 6 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *●「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」のポイント1 「4手目△8八角成の角交換から△2二銀!これで▲7四歩~▲5五角を与えない。」 端歩も突かずに無骨に△2二銀! こうする事で先手からの▲7四歩~▲5五角を絶対に生じないようにさせます。 (ここで▲7四歩 △同歩 ▲5五角なら△9二飛で先手の打った角が無駄になる。) 7 7八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲7八飛と振り、次に▲4八玉~▲3八玉の升田式石田流を狙います。 8 3三銀(22) ( 0:00/00:00:00) *後手は△3三銀!と即上がる事で、先手からの▲4五角のような筋違い角戦法の変化も与えません。 * *後手は次に△4五角 ▲7六角 △2七角成 ▲4三角成 △2二飛の力戦相振り飛車に持ち込む変化を見せています。 9 5八金(69) ( 0:00/00:00:00) *対する先手は▲5八金左と上がり、後手の△4五角を消しておきます。 10 5四角打 ( 0:00/00:00:00) *●「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」のポイント2 「1筋・2筋も伸ばさず△5四角!これで先手からの▲4六角~▲7四歩を予防!」 ▲5八金左に後手はいきなり△5四角! このいきなりの△5四角の狙いは、先手からの▲6五角を消す事。 さらに先手に▲3八銀と上がらせた後に即△2二飛と振る事で、先手の▲4六角に△8二銀と上がる受けを作る狙いです。 先手の▲4六角~▲7四歩すらも予防したのが、この△5四角なのでした。 ただし早期に△5四角と打つと、その打った角を先手に狙われる可能性が生じるので、そのデメリットは頭の片隅に入れておきましょう。 11 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *速攻の△5四角を見て、先手は▲3八銀と上がります。 12 2二飛(82) ( 0:00/00:00:00) *先手の▲3八銀に△2二飛といきなり飛車を振ります。 13 4八玉(59) ( 0:00/00:00:00) *よって先手は▲4八玉と上がりますが。 14 4四銀(33) ( 0:00/00:00:00) *●「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」のポイント3 「2筋を伸ばす前に△4四銀!これで先手からの▲3六角を消す。」 後手はいきなり△4四銀!と上がりました。 この手の意味は、△4四銀に▲3六角なら△4五銀とぶつける手を用意した物です。 せっかくなので先手からの▲3六角も消してしまうのが本戦法です。 とにかく単純に、単調に、確実に!毎回同じ形に組み上げる事を目指しましょう。 15 3九玉(48) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲3九玉と囲い、美濃囲いに入城します。 * *ここから後手は、先手の美濃囲いの弱点を最速で狙いに行きます。 16 2四歩(23) ( 0:00/00:00:00) *飛車を振った後手は素早く△2四歩から2筋を伸ばします。 17 8六歩(87) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲7四歩と突いても、その歩を将来後手の2筋攻めに使われそうなので突き辛い。 * *よって▲8六歩と突き、▲8五飛と伸ばした後に▲7六角 △同角 ▲同飛~▲8六飛を作る狙い。 18 2五歩(24) ( 0:00/00:00:00) *後手は△2五歩と2筋の歩を伸ばし、美濃囲いの弱点である2七地点を狙いにいきます。 19 8五歩(86) ( 0:00/00:00:00) *ただし次にいきなり△2六歩から2筋の歩を切るのは悪手で、以下△2六歩▲同歩 △同飛と2筋の歩を切った瞬間に▲1五角の王手飛車で後手敗勢となります。 20 3三桂(21) ( 0:00/00:00:00) *後手は王手飛車を消すため△3三桂と跳ねました。 * *これで次に△2六歩 ▲同歩 △同飛の時に▲2七歩 △同角成と上部を突破する手があります。 21 2八玉(39) ( 0:00/00:00:00) *後手の次の△2六歩を消すために、先手は▲2八玉と上がります。 * *これで△2六歩 ▲同歩 △同飛には▲2七歩と受ける事ができます。 22 3五銀(44) ( 0:00/00:00:00) *●「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」のポイント4 「組み上がったら△3三桂~△3五銀!『左早繰り銀炸裂!』」 先手は2七地点に銀と玉の二枚の駒を利かせました。 なので後手は△3五銀と銀を五段目に上がり、2七地点を飛角銀の三枚で攻めます。 こうなれば次の△2六歩からの左早繰り銀の玉頭攻めがあり、特に今回は美濃囲いなので先手は玉頭攻めをモロに受ける格好になり後手優勢となります。 23 7四歩(75) ( 0:00/00:00:00) *先手の2七地点は美濃囲いなので、もう既に受かりません。 * *なので▲7四歩と攻めて来ますが、今回は先手美濃囲いなので後手の攻めが直撃します。 24 2六歩(25) ( 0:00/00:00:00) *後手は無視して△2六歩!と踏み込んできます。 25 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *▲同歩と取る一手ですが。 26 2六銀(35) ( 0:00/00:00:00) *△同銀となりました。 * *ここから後手の美濃囲いを必ず殺す一手が刺さります。 27 3九玉(28) ( 0:00/00:00:00) *どうにもならない先手は▲3九玉と逃げます。 * *この早逃げがなかなかの手で、後手の攻めが遠のいたかのように思いますが…。 28 2八歩打 ( 0:00/00:00:00) *そこへ△2八歩! * *この手を見た瞬間、先手の背筋に冷たいものが走ります。 29 2八玉(39) ( 0:00/00:00:00) *諦めた先手は▲2八同玉と取ります。 30 2七銀成(26) ( 0:00/00:00:00) *対する後手は待ってましたの…△2七銀成! 31 3九玉(28) ( 0:00/00:00:00) *さぁ先手は▲3九玉(これに△3八成銀は▲同金で攻めが止まる。)と逃げた手に…。 32 2八成銀(27) ( 0:00/00:00:00) *後手は△2八成銀!と入ります。 33 4八玉(39) ( 0:00/00:00:00) *先手▲4八玉に。 34 3八成銀(28) ( 0:00/00:00:00) *後手△3八成銀! 35 3八金(49) ( 0:00/00:00:00) *▲同金に。 36 2九飛成(22) ( 0:00/00:00:00) *△2九飛成と進み、桂得で飛車を成り込んだ後手勝勢となりました。 * *後手はここから、次に△2六桂~△3八桂成の詰めろと、△6九銀の割り打ちの銀もあり、とても先手に勝ち目はありません。 37 3九金(38) ( 0:00/00:00:00) *▲3九金と引いて頑張る手だと? * *ここで△1九龍なら▲2八角 △1八龍に▲2九銀で耐える狙いだが…。 38 3六桂打 ( 0:00/00:00:00) *△3六桂!が痛打! 39 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *▲同歩と取るしかないが。 40 3七銀打 ( 0:00/00:00:00) *トドメの△3七銀! * *ここで▲同玉は△3九龍 ▲3八銀 △2五桂に▲2七玉 △3六角 ▲同玉 △3八龍以下詰み。 * *他にここで▲4九玉は△3九龍 ▲同玉に△3八金までの詰み。 41 5九玉(48) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲5九玉と逃げるしかない。 * *ここで後手に△5四角型を生かした「玉を包むように寄せる一手」が出る。 42 3九龍(29) ( 0:00/00:00:00) *まずは△3九龍と金を取り。 43 4九銀打 ( 0:00/00:00:00) *銀を打って受けるが、ここで必殺の決め手が出る。 44 8七金打 ( 0:00/00:00:00) *●「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」のポイント5 「美濃を崩した後は△8七金(銀)!で左右挟撃。」 ここで△8七金!が先手玉を左辺へ逃がさない寄せの好手。 この8七地点に金銀を打つ手は覚えておこう。 そうなのです。 後手が10手目に打った△5四角は、2七地点を狙っただけではなかったのです。 「先手の美濃囲いを破壊した後に△8七金・△8七銀と打って左右挟撃を狙う。」 これこそGAVA氏が発見した新手「10手で石田流を終わらせる一撃必殺の角」だったのでした…。 8七地点を△5四角と共に狙う手筋は、本戦法では必ず出るフィニッシュブローなので終盤で狙いましょう。 (他にも△7六桂と打つ手もあり、終盤で△5四角は必ず生きます。) 45 6八飛(78) ( 0:00/00:00:00) *以下飛車を逃げる手に。 46 3八銀成(37) ( 0:00/00:00:00) *△3八銀成と入り、次に△4九龍までの詰めろ。 47 4八金(58) ( 0:00/00:00:00) *以下▲4八金と寄って頑張るが。 48 4八成銀(38) ( 0:00/00:00:00) *△同成銀と取り。 49 4八飛(68) ( 0:00/00:00:00) *▲同飛と取る手に。 50 3七金打 ( 0:00/00:00:00) *△3七金が、次の△4八金の飛車取りを狙った痛打。 51 6八飛(48) ( 0:00/00:00:00) *これには飛車を逃げる一手だが。 52 8八金(87) ( 0:00/00:00:00) *ここで△8八金と銀を取り。 53 8八飛(68) ( 0:00/00:00:00) *これで後手銀を手持ちにした。 54 4八銀打 ( 0:00/00:00:00) *△4八銀と打ち、先手玉を追っていく。 55 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00) *逃げるしかないが。 56 4九龍(39) ( 0:00/00:00:00) *△4九龍で銀を取り、次に△7九銀 ▲7七玉 △8八銀不成 ▲6六玉 △5七銀不成 ▲同玉 △4七龍 ▲6六玉 △7六飛 ▲5五玉 △4四龍までの詰みを狙う。 57 7八金打 ( 0:00/00:00:00) *それを受けるために▲7八金と打つが。 58 7六銀打 ( 0:00/00:00:00) *△7六銀と打ち、次に△5九龍までの詰みを狙って後手勝ちだ。 次 Part3:https://shogi.io/kifus/257776 *------------* 作者:マイナー将棋ブログ URL:https://minorshogi.com/ 本データ掲載記事:【第3回 誰も知らないマイナー戦法】 単純明快!「GAVA流 新鏡の左早繰り銀」Part2 URL:https://minorshogi.com/3st-minor-tactics-that-no-one-knows-part2/ さらに詳しい変化手順解説は、↑の記事にて。