開始日時:2021/05/16 場所:81Dojo 持ち時間:15分+60秒 手合割:平手 先手:はまブリ 後手:くりそら 手数----指手---------消費時間-- *15日~16日の二日に渡って、将棋Vの公人直人さん率いる公人団と、私の名前を冠する棋士団・栗空団による七対七の団体戦がおこなわれた。 これはその最終局。ここまで栗空団の5-1という星だった。団は勝ち越しが決まっていたものの、私にはかえってプレッシャーがあった。負けたら個人的な罰ゲームもあった。 1 7六歩(77) ( 0:30/00:00:30) *先手ははまブリさんだった。この団体戦では公人団の先手が多かった。おかしい。 私はといえば、この時はとても緊張していた。集中力はいつも以上にあったつもりだが、良くも悪くも普段と同じ状態ではなかった。いつもどおりに指そうと心で唱えていた。 2 3四歩(33) ( 0:09/00:00:09) *2手目は早くも悩んだ。普段は△8四歩と指しているが、それだとはまブリさんは矢倉にしてくるかもしれない。対四間飛車の準備しかしていなかったので、それは困る。結局、四間飛車にしてもらいやすそうな△3四歩を指した。 3 6六歩(67) ( 0:04/00:00:34) 4 8四歩(83) ( 0:02/00:00:11) 5 6八飛(28) ( 0:04/00:00:38) *四間飛車になり一安心。これには用意の作戦があった。 6 8五歩(84) ( 0:02/00:00:13) 7 7七角(88) ( 0:03/00:00:41) 8 6二銀(71) ( 0:06/00:00:19) 9 1六歩(17) ( 0:04/00:00:45) 10 1四歩(13) ( 0:02/00:00:21) *端歩は受ける。これは普段どおりだ。位を取らせる指し方はよくわからない。 11 7八銀(79) ( 0:05/00:00:50) 12 5四歩(53) ( 0:05/00:00:26) 13 4八玉(59) ( 0:05/00:00:55) 14 4二玉(51) ( 0:03/00:00:29) 15 3八玉(48) ( 0:04/00:00:59) *振りミレを見た指し方。▲3八銀なら違った将棋になる。 はまブリさんなら▲3八玉だろうなと思っていた。ので、▲3八銀の準備はあまりしていなかった。 16 3二玉(42) ( 0:02/00:00:31) 17 6七銀(78) ( 0:05/00:01:04) 18 4四角(22) ( 0:04/00:00:35) *トーチカ宣言のような手。今回の用意の作戦はこれだった。 19 5八金(69) ( 0:27/00:01:31) 20 2二銀(31) ( 0:05/00:00:40) *これがちょっとした工夫。用意の作戦だった。△3三桂を保留する。 21 5六歩(57) ( 0:07/00:01:38) *5筋を攻める狙い。▲5七金~▲4六金と上がる指し方がある。井出先生の本にも載っている。 はまブリさんはこの指し方を得意としており、動画も多数ある。私はかえって狙いが絞りやすいと考え、金を出てくる指し方の対策を厚く準備してあった。 22 5三銀(62) ( 0:03/00:00:43) *この手も工夫。5筋の攻めに備えている。ただし、△5三角と引けなくなったため、角を狭くする△3三桂が指しにくくなった意味はある。 23 5七金(58) ( 1:41/00:03:19) *上がってきた。対策が実りそうでよかったと思った気がする。 24 2四歩(23) ( 0:05/00:00:48) *△2三銀を作って必要な手。作戦をトーチカから銀冠にシフトする構え。 25 3六歩(37) ( 0:30/00:03:49) 26 2三銀(22) ( 0:43/00:01:31) 27 2八玉(38) ( 2:50/00:06:39) 28 2二玉(32) ( 2:42/00:04:13) 29 3八銀(39) ( 1:22/00:08:01) 30 3二金(41) ( 1:50/00:06:03) 31 4六金(57) ( 0:59/00:09:00) *上がってきた! 私のテンションも上がってきた! この展開は厚めに準備してきたところだった。 32 3三角(44) ( 0:15/00:06:18) *角、銀を入れ替える動き。後手は手損になるが、5筋を厚く受け、好形を作れる。 33 5八飛(68) ( 0:33/00:09:33) 34 4四銀(53) ( 0:04/00:06:22) *これで一旦5筋が止まる。このあたりまでが想定局面だった。 35 2六歩(27) ( 0:40/00:10:13) 36 5一金(61) ( 3:21/00:09:43) *ここは△7四歩、△1二香もありそうで迷った。その二手はいずれ指したい手だがタイミングが難しい。結局、金が働かずに戦いになるのが嫌でこの手を選択した。 この時は、方向違いの手ではあるものの、▲7五歩と位を取られるのを気にしていた。△7四歩を突きたいと思ったのはその防ぎの意味でもあった。 37 6五歩(66) ( 1:22/00:11:35) 38 4一金(51) ( 0:45/00:10:28) 39 3七桂(29) ( 3:00/00:14:35) 40 3一金(41) ( 1:50/00:12:18) *このあたりでも、常に△7四歩との比較で悩んでいた。ただ、早すぎると▲5五歩の時に損になるため見送った。まずは離れ駒をなくすことを優先した。 41 2七銀(38) ( 0:45/00:15:20) 42 7四歩(73) ( 3:34/00:15:52) *▲5五歩と突かれるのを気にしていたが、先手が銀冠を目指す途中で陣形に離れ駒ができているので、この歩を突きやすくなった意味があった。 △1二香を急ぐのは、やはり▲7五歩を気にした。気にすることもなかったかもしれない。 43 2五歩(26) ( 0:54/00:16:14) *仕掛けがきた。桂は4五に跳ねてくるほうしか考えていなかった。ここで取る手は考えなかった。 44 8六歩(85) ( 0:51/00:16:43) *手抜くとなると△7三桂が自然だが、その前に突き捨てるのが手の流れだと思った。遅すぎると入らなくなる可能性がある。 今▲同角には△4二角とぶつける筋があり、先手の応手を▲同歩に限定できそうだ。 45 2四歩(25) ( 0:45/00:16:59) 46 2四角(33) ( 0:54/00:17:37) 47 8六歩(87) ( 0:51/00:17:50) 48 7三桂(81) ( 0:53/00:18:30) *▲2四歩のタイミングが予想外だったものの、大体妥当な進行だと思う。後手には遊び駒がなく、雰囲気は良いと思っていた。 49 2五歩打 ( 0:58/00:18:48) *▲6六銀と受けられても角切りを考えていたくらいなので、角を追ってくるのは意外だった。切る手から考えた。切った後に桂跳ねまで入る形だ。 50 4六角(24) ( 0:53/00:19:23) 51 4六歩(47) ( 0:42/00:19:30) 52 6五桂(73) ( 0:50/00:20:13) 53 6六角打 ( 0:59/00:20:29) *これも予想外の我慢だった。さすがに形勢が良くなったと思った。 54 7七桂成(65) ( 0:53/00:21:06) 55 7七角(66) ( 0:41/00:21:10) 56 2六歩打 ( 0:53/00:21:59) *4七にキズがあるので、ここは叩きたいところだった。ただ、飛車に二枚ひもをつけられているので、飛車を良い形で取らせられるのが嫌だった。 57 3八銀(27) ( 0:49/00:21:59) 58 6四角打 ( 0:53/00:22:52) *△3五歩は考えなかった。のちのち△1五歩と突けそうな局面もあったりするのだが、自玉の頭の歩を突くのは、見えても指さないつもりだった。 この角は発見した時に好点だと感じた。好感触。4六の歩取りが大きな手に見えていた。 59 4五歩(46) ( 0:46/00:22:45) 60 3三銀(44) ( 0:52/00:23:44) 61 5五歩(56) ( 0:47/00:23:32) *後手も焦らされる展開になった。5筋の攻めは確実だ。取る手は考えなかった。 ここも△3五歩が筋なのだが、ここでは見えてもいなかった。自玉を傷つけるのを極端に嫌っていた。 62 8六角(64) ( 0:54/00:24:38) 63 6六角(77) ( 0:50/00:24:22) 64 9五角(86) ( 0:56/00:25:34) *これは▲8四歩を取れるようにした意味。 65 8八歩打 ( 0:57/00:25:19) 66 6八金打 ( 0:55/00:26:29) *▲8八歩が軽視していた受けで、思っていたよりも飛車が働かなかった。△6四角を置いた以上角を働かせないといけないが、手段が難しい。この金打ちは手が泳いだ。ここに時間を残しておけばよかったのかもしれない。 時間の使い方だが、残そうと急いで指してもどうせ大して多くは残せないので、早めに使い切ったほうが得だと思っている。5分くらいの考慮では対して読めない私のスペックのせいもある。秒読みにもまあまあ自信があるけれど、こういう金打ちなどを見るとまだ精度に難がある。 67 5七飛(58) ( 0:43/00:26:02) 68 6七金(68) ( 0:52/00:27:21) 69 6七飛(57) ( 0:46/00:26:48) 70 7八銀打 ( 0:53/00:28:14) *感触の悪かった銀。評判も悪かったようだ。ただ、馬を作れるのがいいと思った。6七に銀を再活用する展開が見込めると思っていたのもあった。 このあたりではおかしくしたという手応えだった。焦りはなかったはずだが、嫌な感じがしていたと思う。 71 4七飛(67) ( 0:51/00:27:39) 72 6八角成(95) ( 0:54/00:29:08) 73 5九桂打 ( 0:59/00:28:38) *5六にキズがあるので、▲5八金打などでは弾けないと思っていた。しかし、桂で受けてくるとは思わなかった。替えて▲5七金を考えていた気がする。 74 6九銀成(78) ( 0:54/00:30:02) 75 5四歩(55) ( 0:56/00:29:34) 76 5九成銀(69) ( 0:52/00:30:54) *打たせた桂を取る展開になって形勢がまた好転したように感じていた。ただ、自玉がどれくらいもつかわからないので常に攻め合いの順は心配だった。 77 3九金(49) ( 0:53/00:30:27) 78 2七桂打 ( 0:52/00:31:46) 79 2九金(39) ( 0:54/00:31:21) 80 1九桂成(27) ( 0:50/00:32:36) 81 1九玉(28) ( 0:46/00:32:07) 82 4六香打 ( 0:56/00:33:32) *香と桂を入れ替えてここに打つのは手なりの手順というつもりだった。▲5七飛に△4八香成が見えたので決行した。 83 8七飛(47) ( 0:58/00:33:05) 84 8七飛成(82) ( 0:53/00:34:25) 85 8七歩(88) ( 0:47/00:33:52) *飛車ぶつけは軽視していた。飛車交換で先手の攻め駒が四枚になり、結構怖いと思っていた。 86 2七歩成(26) ( 0:53/00:35:18) 87 2七銀(38) ( 0:43/00:34:35) 88 4七香成(46) ( 0:52/00:36:10) *この手順は馬の利きを2四に通した意味が強い。2四ぶち込みを極端に怖がっていた。攻めては△3七成香~△1七桂が速いかなとは思っていた。 89 2八金打 ( 0:59/00:35:34) 90 4六馬(68) ( 0:52/00:37:02) 91 3八桂打 ( 0:59/00:36:33) *がっちりした受けだが、攻め合いの順がなくなったので安心できた。 ここでは馬を引く手もあったが、ごちゃごちゃした展開になる。前に出るほうがわかりやすい気がした。こういうところでアクセルを踏み込みがちなのが私の癖。 92 3七馬(46) ( 0:54/00:37:56) 93 2四歩(25) ( 0:59/00:37:32) 94 1七飛打 ( 0:55/00:38:51) *トリッキーな手だが、堅いと思う。飛車を使うしかなく、攻め合いの目が更になくなる。一例は▲1八飛△2七飛成▲2三歩成△同竜。 95 1八金(29) ( 0:53/00:38:25) *これは詰みがある。確か飛車を打った後の相手の手番で金合への詰みが見えたのだった気がする。指された時はちょっとびっくりした。詰みは何回も確認した。おそらくこの手でも50秒以上考えたはず。 96 1八飛成(17) ( 0:53/00:39:44) 97 1八玉(19) ( 0:58/00:39:23) 98 2八馬(37) ( 0:45/00:40:29) 99 2八玉(18) ( 0:31/00:39:54) 100 3七金打 ( 0:32/00:41:01) 101 1七玉(28) ( 0:09/00:40:03) 102 2五桂打 ( 0:26/00:41:27) 103 2六玉(17) ( 0:34/00:40:37) 104 2七金(37) ( 0:12/00:41:39) 105 2七玉(26) ( 0:10/00:40:47) 106 3七桂成(25) ( 0:17/00:41:56) 107 2六玉(27) ( 0:15/00:41:02) 108 2七金打 ( 0:06/00:42:02) *以下△2四銀直があるので詰み。△2四銀右の王手放置だけは気をつけなきゃと思っていた。 序盤、研究でうまくペースを握り、中盤でもたついたところはあったものの、最終盤などはよどみなく指せたと思う。力以上のものが出せた。緊張していたものの集中力だけは高かったおかげかなと思う。 109 投了 ( 0:14/00:41:16) まで108手で後手の勝ち