手合割:平手 先手:たけまん竜明 後手:すずめ月光 手数----指手---------消費時間-- *第2期月光戦 (主催 Arjuna https://twitter.com/gekko_sen )A級の対局から、第1期月光すずめ四段と第2期竜明のたけまん六段の対局の棋譜を解説(もとい実況的コメント)突きで紹介する。 将棋ウォーズでの棋譜は https://shogiwars.heroz.jp/games/HyperTakeman-suzume8696-20200122_210420?tw=1 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *実況は月光戦主催者にして唯一の運営者であるArjuna。 * *なにぶん級位者であるので、指し手の検討などには将棋ソフト(評価関数はNNUEKaiXF、以下AI)の力を借りまくりである。 *対局者に失礼な指し手の指摘なども多いが何卒ご容赦いただきたい。 * * *先手。たけまん竜明は11秒使って居飛車を明示した。 *(動画実況されていたのできっとその関係であろう。) * 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *本局は今期第4節の対局だが、すずめ月光の都合により延期となったため両者にとって今期の最終局となった。 * *本局までの今期対戦成績は、両者とも4勝0敗。 3 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *本棋戦における両者の直接対決は、前期(第1期)A級での1局があり、たけまん竜明が勝利している。 * *「第0期優勝者」としてのすずめ四段にとって最初の対局であったが、早々タイトル獲得が危ぶまれる手痛い敗戦となった。それでも最終的には第1期月光位獲得を成し遂げたが、今期は直接勝利しての2期目獲得なるか。 * 4 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) *角道を止めた。 * *すずめ月光は四間飛車がよく見られ、今期本局以前の4局中2局で四間飛車を採用している。 * *また前期の優勝決定局となったHas_to四段戦も四間飛車であった。 *本局同様に解説()付きで紹介している。 *https://shogi.io/kifus/241510 5 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *たけまん竜明は若き現役奨励会員。 *本棋戦の今期はじめ頃に3分切れ敗けトーナメント戦「第2期竜明戦」を制し竜明のタイトルを獲得している。 * *たけまん竜明にとっては、前期月光戦は優勝者相手に直接勝利を収めながらも栄冠を逃した格好である。 *今期こそは本局に勝ってタイトルを手中に収めて「二冠」と名乗りたいところであろう。 6 3三角(22) ( 0:00/00:00:00) *月光戦は「順位」を最大限活用する棋戦だが、A級首位、すなわちタイトル獲得者決定においては同星の場合は直接対決の勝者が優先されるという特殊ルールがある。 *(防衛の難易度を上げ、奪取の難易度を下げる意味で意図的に設けたものである。) * *前期はこれがタイトル争いに絡んだが、今期は両者4-0からの本局で、勝者は5-0に、敗者は4-1となるため、同星時の扱いはもはや無関係。 *本局は正真正銘の「タイトル決定戦」である。 * * 7 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00) 8 4二飛(82) ( 0:00/00:00:00) *飛車を4筋に振り、戦型は四間飛車に確定。 *すずめ月光にとっては今期5局中3局目の四間飛車。過半数の採用となった。 * *主催者も四間飛車党で、他の戦型よりチョットワカル程度だが助かることこの上ない! *解説を付ける作業もとても勉強になるので、今後も四間飛車での活躍を願いたい。 * 9 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00) 10 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) *「穴熊ですか?」 11 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *「いいえちがいます(たぶんね)」 12 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *……という藤井システムでお馴染みのやりとりを経て、居飛車急戦の可能性が高くなった。 13 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) 14 3二銀(31) ( 0:00/00:00:00) 15 7八玉(68) ( 0:00/00:00:00) 16 6二玉(51) ( 0:00/00:00:00) 17 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *舟囲い完成前だが▲36歩と突いた。 *先程の▲96歩と相まって居飛車からの急戦で確定だろう。 * * 18 7一玉(62) ( 0:00/00:00:00) 19 5七銀(48) ( 0:00/00:00:00) *銀をこちらに繰り出す。 20 4三銀(32) ( 0:00/00:00:00) *銀には銀。 21 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) 22 8二玉(71) ( 0:00/00:00:00) *後手玉は美濃囲いに入城完了。 * * 23 7九金(69) ( 0:00/00:00:00) *先手はelmo囲いだ。 * *前期月光戦の直接対決も「すずめ四間飛車(美濃)」対「たけまんelmo囲い急戦」であった。 *https://shogiwars.heroz.jp/games/suzume8696-HyperTakeman-20191112_210826 * *ただし今回とは先後が異なり、前期はすずめ月光が先手。 *前期対局でたけまん玉の下に金が潜り込んだ次点に比べ、後手陣は△43銀が先行している。この差がどのような違いを生むだろうか。 * 24 5四歩(53) ( 0:00/00:00:00) 25 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) 26 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *端はお突き合い。 27 4六銀(57) ( 0:00/00:00:00) *前期に続いて居飛車が▲46銀と上がる形になった。 * *先手の消費時間はこの手までで1分を1秒過ぎたところ。 *対する後手はここまで15秒で、少々差があるように思える。 * *前期は振り飛車側が△45歩と突く展開であったが、今期は先に△43銀を指しているためそれは無さそうだ。 28 3二飛(42) ( 0:00/00:00:00) *攻めがきそうな筋に飛車をあらかじめ回っておく、振り飛車の常套手段。 29 3五歩(36) ( 0:00/00:00:00) *25秒の考慮で、先手から仕掛けた。 ここで△45歩と角を捌く手をAI先生が示している。 以下▲33角成なら△同桂が45の歩をピッタリ支え、△37銀と追い返すことができる。 ▲同銀がAI最善のようだが、△88角成▲同玉で先手陣の形を乱し、さらに△64角の追撃が厳しい。 30 4二角(33) ( 0:00/00:00:00) *対して26秒の考慮で△42角と引いた。 近い将来の△64角を狙う引き場所だ。 31 5五歩(56) ( 0:00/00:00:00) *さらに30秒の考慮で▲55歩。 *△64角としたときの角道を塞ぎつつ攻める手だ。 * *私のような級位者には歩が同時に二つぶつかると悩ましいところ。 32 3五歩(34) ( 0:00/00:00:00) *ノータイムで△35歩と取り込んだ。 * *もちろん先程と違って後手の角が42に引いているので▲同銀とはできない(△同飛)。 * *代えて△55同歩は▲同銀で先手の角筋に銀を乗せるのを手伝う形となり面白くない。 * *現局面は先手の55歩が一時的に角道を止めているので、その隙に反撃を見せるのが良いということだろうか。 33 5四歩(55) ( 0:00/00:00:00) 34 5四銀(43) ( 0:00/00:00:00) *34秒の考慮で△同銀と取った。 * *この手で後手の消費時間が1分を超えた。 *一方の先手はすでに約2分使っている。 * *残り ▲8:01 / △8:37 * 35 4四角(88) ( 0:00/00:00:00) *角が後手陣に襲いかかる。 *次に香取りに馬を作られると後手早くも厳しいか。 * *AI先生も先手有利との評価だ。 * * 36 3三角(42) ( 0:00/00:00:00) *香取りは△33角で受けた。 * *▲同角成△同飛と進むと▲24歩△同歩▲同飛が銀桂両取りになるが大丈夫だろうか。 * *AI先生はここでも△45歩という手を示していた。 *対して▲57銀や▲37銀と引くと△36歩が厳しい。▲35銀なら△43銀▲11角成△35飛の反撃で先手困る。 *▲55銀が最善のようだが、△同銀▲同角△64角と、先手の飛車を射線上に捉えつつ角同士をぶつけて捌ける。AI先生はこれでも先手有利と見ているが……。 * * * * * * * * * * * * * * 37 5三角成(44) ( 0:00/00:00:00) *先手は角交換ではなく馬を作り銀を追う道を選んだ。 38 5二飛(32) ( 0:00/00:00:00) *飛車で銀を守った! *というよりは、飛角交換を迫った手だ。 * *素人目には△55銀や△65銀で逃したくなるところだが、AIは最善手の評価。 * * 39 5二馬(53) ( 0:00/00:00:00) 40 5二金(41) ( 0:00/00:00:00) *飛角交換にはなったが、手順に本美濃が完成し、33角が99香を睨んでいるため後手が手番を握っている。 *AIも互角の評価になった。 * * 41 7七桂(89) ( 0:00/00:00:00) * * * * 42 3六歩(35) ( 0:00/00:00:00) *46銀から歩を逃がすというより、将来の△64角~△45歩の道を整備した手であるように思う。 43 5八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *後手の銀を捉えながら△46角を未然に避けた手だろうか。 *AIも好評価で、再び先手持ちとのこと。 * *△36歩のところで△56歩が良かったようだ。 *▲77桂で5筋に先手の力が集まりつつあるので、それを先受けすべきだったということだろうか。 * 44 5五歩打 ( 0:00/00:00:00) 45 3四歩打 ( 0:00/00:00:00) *手番を握った先手が逆襲。 * *後手は角をどこに逃げるか難しいが、42に逃げると55の力関係が崩れてしまうため、22か44の2択。44は▲41飛が気になる。 * *この手は14秒の考慮で、先手の消費時間が3分を超えた。 *後手は一手前に2分を使ったところだ。 * *残り ▲6:47 / △7:59 46 2二角(33) ( 0:00/00:00:00) 47 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *追撃。 48 2四歩(23) ( 0:00/00:00:00) 49 2三飛打 ( 0:00/00:00:00) *厳しい飛車打ち。 *後手は桂損を回避する手がない。 * *AIの形勢判断もはっきり「先手優勢」となった。 * * 50 4四角(22) ( 0:00/00:00:00) 51 2一飛成(23) ( 0:00/00:00:00) *先手が桂得となった。 52 4五歩打 ( 0:00/00:00:00) * * 53 4一龍(21) ( 0:00/00:00:00) *銀を逃さず、浮いた角を狙う冷静な龍寄り。 *このままだと▲44龍のあとすぐ▲54龍もあって後手は受けるしかないようだが…… 54 4六歩(45) ( 0:00/00:00:00) *手抜いて銀を取りにいった! * 55 4四龍(41) ( 0:00/00:00:00) 56 4七歩成(46) ( 0:00/00:00:00) *さらに銀取りも手抜いて歩成! 57 4七龍(44) ( 0:00/00:00:00) 58 4五銀打 ( 0:00/00:00:00) *銀で龍が後手陣に戻る筋を抑えた。 *角桂損は痛いところだが、一旦後手陣に出来た龍を先手陣まで追い払ってどうかというのが後手の主張だろう。 * *しかしは先手「勝勢」の判断。 *やはり駒得は大きい。 59 6六桂打 ( 0:00/00:00:00) *先程までほぼノータイムのやり取りが続いたが、この手には先手34秒の考慮。 残り ▲5:36 / △7:09 54銀を逃げれば▲45龍でさらに銀損、 逃げなくても▲54桂△同銀は銀桂交換で駒割は先手の飛車得となる。 60 4六歩打 ( 0:00/00:00:00) *というわけで龍を直接狙いにいった。 61 2七龍(47) ( 0:00/00:00:00) * * 62 5六角打 ( 0:00/00:00:00) *次に△47歩成を狙う。 63 4八金(49) ( 0:00/00:00:00) * * 64 2五歩(24) ( 0:00/00:00:00) *▲同龍なら△47歩成。狙いははっきりしている。しかし▲54桂の方が早そうだが……大丈夫だろうか。 本局の後すずめ月光は「一番印象に残った手でした。△26歩を見せて焦らせようかと。……でも次に▲44角なら完封負けでしたね」と語った。 65 5四桂(66) ( 0:00/00:00:00) *権利の銀取りを行使。 *この手には先手は1分近く(58秒)を投資。 * *残り ▲4:17 / △6:48 * *残り時間差が大きくなってきた。 * 66 5四銀(45) ( 0:00/00:00:00) *ノータイムで応手。 67 4四角打 ( 0:00/00:00:00) *急所の角打。 *11香を睨みつつ、71と62に効いて玉の退路を狭くしている。先手の端攻めの受けの難易度が急上昇。 * *先手がかなりまずそうだが…… *AIは依然先手持ちであるものの、この手は悪手との見方を示した。 68 6六桂打 ( 0:00/00:00:00) *王手飛車の桂打! *64手目△25歩で桂を跳ねを誘い、空いたスペースに打ち返す美しい手順だ。 * *しかし▲44角のところで例えば▲88玉でも、▲59飛でも、▲56飛△同歩でも不成立だった。 *局後たけまん竜明は「この手をうっかりしました」と後悔を口にした。 * * 69 8八玉(78) ( 0:00/00:00:00) 70 5八桂成(66) ( 0:00/00:00:00) * * 71 5八金(48) ( 0:00/00:00:00) 72 4九飛打 ( 0:00/00:00:00) *再び△47歩成の狙い。 73 4八歩打 ( 0:00/00:00:00) 74 2九角成(56) ( 0:00/00:00:00) *と、一段目に飛車を置いた効果で桂取り。駒割は完全に互角に戻った(一歩だけ後手が得)。形勢はまだ先手が良いようだが…… 75 9五歩(96) ( 0:00/00:00:00) *ここで先手は端攻めに入った。 76 9五歩(94) ( 0:00/00:00:00) 77 9三歩打 ( 0:00/00:00:00) 78 9三香(91) ( 0:00/00:00:00) *32秒の考慮で△93同香。 *後手の消費時間が4分を超えた。 * *残り ▲3:32 / △5:43 79 8五桂(77) ( 0:00/00:00:00) *厳しい桂跳ね。 △94香と逃げると▲86桂とさらに厳しい桂打ちを招くことになる。 また先程29で桂を取った馬が質駒になっているため、△43銀としても▲93桂成△同玉▲29龍△同飛成から▲71角打が非常に厳しい(分岐- #242333)。 80 7四馬(29) ( 0:00/00:00:00) *ということで馬の質駒状態を解消しつつ▲93桂成を催促した。 *こういう手が見えると強いんだろうな~。 81 9三桂成(85) ( 0:00/00:00:00) * * 82 9三玉(82) ( 0:00/00:00:00) 83 9五香(99) ( 0:00/00:00:00) 84 9四歩打 ( 0:00/00:00:00) 85 9四香(95) ( 0:00/00:00:00) *△同玉では▲86桂が厳しすぎる。 * * 86 8四玉(93) ( 0:00/00:00:00) *△94歩の前に△84玉でもよさそうだが、ギリギリまで香を進ませたことで9筋が退路としてごく僅かに広そうだ。 * *後手玉が美濃囲いから完全に引っ張り出され、AI先生は先手有利の判断。 *先手攻めきるか、後手凌ぎきるかの勝負。 87 8六銀打 ( 0:00/00:00:00) *銀で玉頭にプレッシャーをかける。 *しかし86が埋まったことで今度は△94玉と戻れそうだが……いややはり▲95香でいよいよ後手玉が狭くなるか。 *狙いがわかりにくかったが、どうやら香取りを誘う手のようだ。 * * *いよいよ先手の残り時間が3分を切った。 *残り ▲2:53 / △5:32 88 6五銀(54) ( 0:00/00:00:00) *先手の継続手が無いと見てか後手が反撃に出た。 89 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) 90 7六銀(65) ( 0:00/00:00:00) * * 91 7八香打 ( 0:00/00:00:00) *銀と馬を串刺しにする味のよい香打! * *だが、AI先生は若干顔をしかめた。級位者には意味がわからない。 * *が、すずめ月光は *「正直言ってこの香打ちは有り難かったです。94香を取れるようになって粘り易くなりました。」 *ということだった。終盤は駒の損得より速度ということか。 92 9六桂打 ( 0:00/00:00:00) *しかしすぐには△94玉と寄らず、先に96桂で味付け(?) 93 9八玉(88) ( 0:00/00:00:00) * * 94 9四玉(84) ( 0:00/00:00:00) *42秒の考慮で、満を持して香取り。 * *残り ▲2:38 / △4:16 * * * 95 7六香(78) ( 0:00/00:00:00) 96 5六馬(74) ( 0:00/00:00:00) 97 6七金(58) ( 0:00/00:00:00) * 98 4五馬(56) ( 0:00/00:00:00) 99 1一角成(44) ( 0:00/00:00:00) *局後たけまん竜明は 「(2手前97手目で)▲67金を入れずに単に▲11角成りでしたね。(△45馬と引かれて)▲44馬と引けなくなったのが痛かったです。」と語った。 100 9三玉(94) ( 0:00/00:00:00) *この手が100手目。 *残り ▲2:14 / △4:03 * *玉が美濃囲いに戻ろうとしている。 *▲11角成で香は取られたが、角がソッポに行ったことで後手陣・後手玉へのプレッシャーはだいぶやわらいだようだ。 *逆に後手の大駒がどちらも先手の金駒を睨んでおり、先手がこれから忙しくなりそうだ。 * * * 101 9五香打 ( 0:00/00:00:00) 102 8二玉(93) ( 0:00/00:00:00) 103 8五銀(86) ( 0:00/00:00:00) 104 8四桂打 ( 0:00/00:00:00) *この手には後手35秒の考慮。 *しかし先手の残り時間が2分を切っている。 * *残り ▲1:49 / △3:26 * 105 8六桂打 ( 0:00/00:00:00) 106 2六歩(25) ( 0:00/00:00:00) *先手続いて27秒の考慮。 * *タダの歩だが、▲同龍は△67馬▲同銀△79飛成で先手玉が寄り筋。 *逃げるなら57か17か…… * 107 9六銀(85) ( 0:00/00:00:00) *なんと、龍取りを手抜いて玉頭の桂を払った! すぐに△96桂もありそうだが…… ▲96銀の考慮時間はわずか3秒。狙いの一手だったのだろう。 しかしここでAI先生の形勢判断が後手勝勢に切り替わった。 108 2七歩成(26) ( 0:00/00:00:00) *当然先に龍を取る。 * 109 7四桂打 ( 0:00/00:00:00) *つなぎ桂で反撃! ▲96銀で無理やり(?)でも桂を取ったのはこの狙いだった!?桂の背後には香も控えている。 いよいよ後手玉は寄りか……しかしAI先生は「後手」勝勢の判断。 たけまん竜明は局後「(2手前の▲96銀のところ)ここは竜を逃げる1手でしたね」と語った。 110 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *当然△71玉は▲82銀で即詰み。取るしかない。 111 7四桂(86) ( 0:00/00:00:00) * * 112 7三玉(82) ( 0:00/00:00:00) *ここまでは一本道。先手寄せられるか。 *ほぼノータイムのやりとりが続く。 113 6五歩(66) ( 0:00/00:00:00) *後手玉の逃げ道をふさぐ。 114 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00) *対して63に退路を開く。 △96桂と銀を取りながらこちらに退路を開く手もあったようだが…… 115 8五銀(96) ( 0:00/00:00:00) *すかさず銀を出てその筋を防ぐ。 116 9六歩打 ( 0:00/00:00:00) *先手玉へのプレッシャーを切らさない。 117 5九歩打 ( 0:00/00:00:00) 118 4八飛成(49) ( 0:00/00:00:00) 119 7八銀打 ( 0:00/00:00:00) *14秒の考慮で手厚く受ける。 *残り ▲1:09 / △2:31 * *AI先生は次になんと△68龍から後手21手で勝ちを読んだ。 *……これが読めたらもうプロでいい気がするが。手順割愛。 * * 120 7六桂(84) ( 0:00/00:00:00) *この手についてすずめ月光は「△77歩なら明快でした」とのこと。 * *AIの見方も△76桂は3善で、△77桂を次善に挙げており、その差は1300程もある。(最善は先述の通り△68龍) * 121 9六銀(85) ( 0:00/00:00:00) *こちらの歩を取った。 *駒の損得より玉の安全。 122 6八桂成(76) ( 0:00/00:00:00) * * 123 6八金(67) ( 0:00/00:00:00) *駒割は後手の飛車香得になったが、こうして見ると先手陣はまだまだ金駒の層が手厚い。後手寄せ切れるか。 * *なおここからあと50手程続く……あとは緊迫の最終盤をお楽しみください。 124 7六桂打 ( 0:00/00:00:00) 125 5八金(68) ( 0:00/00:00:00) *金の方が動いて「金底の歩」になるのは珍しい(気がする)。 龍当たり。 しかしここでAIが先手玉の詰みを見つけた。長いので割愛。 126 4九龍(48) ( 0:00/00:00:00) *後手の持ち時間が2分を切った。 先手は先ほどからすごいペースで指し手を進めている。 残り ▲1:05 / △1:53 この手に対してすずめ月光は「ひより過ぎ。時間以外負けようがない局面なんだからさっと決めないと…以下はグダグダ過ぎてダメ」と自戒した。 127 9九歩打 ( 0:00/00:00:00) *これは……級位者には指せない底歩。 *何十手か先に活きてくる? * *と、局後にこの歩の意味を竜明に尋ねたところ *「この手は△97歩▲同王△99飛車を受けた手です」 *と語ってくれた。 128 4七歩成(46) ( 0:00/00:00:00) 129 6七金(58) ( 0:00/00:00:00) 130 7七歩打 ( 0:00/00:00:00) 131 7七金(67) ( 0:00/00:00:00) *この手で先手の残り時間はちょうど1分となった。 * *残り ▲1:00 / △1:43 132 7五香打 ( 0:00/00:00:00) *考慮時間5秒。 133 9七玉(98) ( 0:00/00:00:00) *考慮時間1秒。 134 8四香打 ( 0:00/00:00:00) *考慮時間7秒。 135 6六金(77) ( 0:00/00:00:00) *考慮時間3秒。 136 7四玉(73) ( 0:00/00:00:00) *考慮時間3秒。 * *玉で後手陣への最大の楔となっていた桂を取りつつ香取りを受けた。 137 8六桂打 ( 0:00/00:00:00) *考慮時間1秒。 * 138 8六香(84) ( 0:00/00:00:00) *考慮時間2秒。 * 139 8六玉(97) ( 0:00/00:00:00) *考慮時間1秒。 * 140 8四銀打 ( 0:00/00:00:00) *考慮時間5秒。 * 141 8五香打 ( 0:00/00:00:00) *考慮時間1秒。 * *△同銀と取りたくなるが、96銀が絶妙に効いている! 142 4六飛打 ( 0:00/00:00:00) *考慮時間13秒。 *金取りに飛車を打つ。 * *残り ▲0:53 / △1:08 * *ここまで先手・後手の時間のゆとりの差を感じるやりとりが続いたが、その差もだいぶ縮まってきた。 143 8四香(85) ( 0:00/00:00:00) *取り合いを選んだ。 * *考慮時間はもちろん1秒。 144 6六飛(46) ( 0:00/00:00:00) *後手も1秒で応じる。 * *ここから△88桂成が開き王手。 *▲97銀に△98金と打てれば詰みだが、ここで先程の99歩がそれを防いでいる。妙防だ。 * 145 8五銀(96) ( 0:00/00:00:00) *考慮時間1秒。 *ここからはお互いノータイムの指し手が続く。 146 6五玉(74) ( 0:00/00:00:00) 147 6七歩打 ( 0:00/00:00:00) 148 6七馬(45) ( 0:00/00:00:00) 149 2一馬(11) ( 0:00/00:00:00) 150 4三歩打 ( 0:00/00:00:00) *手堅い歩打ち。 *歩で大駒の利きをさえぎる受けは心が折れてしまいやすい。 *この手で後手の残りも1分となった。 * *残り ▲0:48 / △1:00 151 6七銀(78) ( 0:00/00:00:00) 152 6七飛成(66) ( 0:00/00:00:00) 153 7四角打 ( 0:00/00:00:00) 154 6六玉(65) ( 0:00/00:00:00) *入玉が見えてきた。 155 7八銀打 ( 0:00/00:00:00) 156 7七銀打 ( 0:00/00:00:00) 157 9六玉(86) ( 0:00/00:00:00) 158 7八銀(77) ( 0:00/00:00:00) 159 7八金(79) ( 0:00/00:00:00) 160 7八龍(67) ( 0:00/00:00:00) 161 9二香成(95) ( 0:00/00:00:00) *退路を上部開く執念の一手。 局後△すずめ月光は 「ここで詰みあってもおかしくないなーと思いながら本譜は安全に行ったのですが‥‥87竜→88桂成が結構危ないですよね……」とコメント。 162 8八桂成(76) ( 0:00/00:00:00) 163 9五玉(96) ( 0:00/00:00:00) *残り ▲0:40 / △0:50 164 8七成桂(88) ( 0:00/00:00:00) *先手がかなり厳しい局面だが、すぐの△98龍を99歩が防いでいる。 *こんなに利くなんて…… 165 8三香成(84) ( 0:00/00:00:00) *更に84に退路を開くが、なんとこの局面で先手玉が9手で詰むようだ。 * *主催は手順と残り時間を考えればこれを読む必要はないように思ったが、局後すずめ月光は * *「終局後にさっと見返したときは一目で詰みました。 *“タイトルが懸かった1局”って初めてだったので(前期はほぼ諦めてたのに気付いたらタイトルが転がり込んできた)、緊張していたのはあるのですが…たけまんさんも多分詰むのわかってて指してたと思うのでただただ申し訳ないです。」 *と悔しさをにじませた。 * 166 5九龍(49) ( 0:00/00:00:00) 167 6七歩打 ( 0:00/00:00:00) 168 6七玉(66) ( 0:00/00:00:00) 169 6八歩打 ( 0:00/00:00:00) 170 6八玉(67) ( 0:00/00:00:00) *この手が170手目。 * *残り ▲0:34 / △0:41 *7秒差。 171 6九歩打 ( 0:00/00:00:00) *意地の歩連打。 172 6九龍(59) ( 0:00/00:00:00) 173 9六銀打 ( 0:00/00:00:00) 174 9九龍(69) ( 0:00/00:00:00) 175 7二成香(83) ( 0:00/00:00:00) *AIが後手13手で勝ちを断言した。 176 7二金(61) ( 0:00/00:00:00) 177 8三銀打 ( 0:00/00:00:00) *いよいよ先手玉が7手詰。複数の筋があるようだ。 178 7三金(72) ( 0:00/00:00:00) *この手には6秒を投じ、ついに時間が並んだ。 * *残り ▲0:31 / △0:31 * 179 8一成香(92) ( 0:00/00:00:00) 180 9三香打 ( 0:00/00:00:00) 181 投了 ( 0:00/00:00:00) まで180手で後手の勝ち