手合割:平手 先手:はすと四段 has_to 後手:すずめ四段 suzume8696 手数----指手---------消費時間-- *[将棋ウォーズURL](https://kif-pona.heroz.jp/games/has_to-suzume8696-20191201_225743?tw=1) 第1期月光戦( https://twitter.com/gekko_sen ) A級から、第0期優勝・順位1位のすずめ四段と同3位のHas_to(はすと)四段の対局の模様を紹介する。 1 2六歩(27) *先手となったはすと四段はA級順位3位。 初手で居飛車を明示した。 第1節・ヤマ二段戦と第2節・Takano四段戦の2局は三間飛車、第3節はたけまん六段戦は居飛車(相居飛車)を採用しいずれも勝利。3勝0敗の好成績で第4節の本局を迎えている。 2 3四歩(33) *後手となったすずめ四段は第0期月光戦の優勝者で、A級順位1位。 初代『月光』のタイトルがかかる今期に最高の順位から臨むが、第1節で今期A級編入の奨励会員たけまん六段に黒星を喫し、第3節までで2勝1敗。優勝には本局勝利が絶対条件であった(詳細後述)。 3 7六歩(77) *本局は2019年12月1日日曜日、午後11時ごろに始まった。将棋ウォーズ10分切れ負け戦である。 4 4四歩(43) *角道を止める。 すずめ四段は今期第1節・たけまん六段戦と第3節・星村歩三段戦で四間飛車を採用しており、四間飛車の可能性が高そうだ。 5 4八銀(39) 6 4二飛(82) *戦型は後手四間飛車の対抗形となった。 ちなみにすずめ四段は第2節・ヤマ二段戦では早々に三間飛車を明示したヤマ二段に対して右四間飛車で応じている。 7 3六歩(37) *早々に36の歩を突く。 急戦の予感。 8 6二玉(51) * 9 1六歩(17) *端の歩も早い。 主催も四間飛車をよく指す(というかそれしか指せない)が、あまり見ない居飛車の攻撃陣だ。 10 1四歩(13) *月光戦は順位戦形式だが、ことA級1位争いに関しては順位よりも直接対決の勝者を優先する特別規定がある。 11 9六歩(97) *先述の通りすずめ四段は第1節でたけまん六段に敗れており、仮に勝敗が並んでも初代月光は直接対決の勝者たけまん六段の手に渡るところだが「ただし勝敗が三つ巴等になり直接対決での優劣が判断できない場合は順位で判断する」という特別規定のさらに例外がある。 12 9四歩(93) *そして当節まででたけまん六段に唯一の土を付けたのが本局の先手はすと四段であり、本局ですずめ四段が勝てば「三つ巴」が実現する。 つまりすずめ四段が優勝するには本局勝利が絶対条件なのである。 13 3七桂(29) *桂ハネも早い。 14 3五歩(34) 15 3五歩(36) 16 3二飛(42) *3筋の歩を突き捨てて飛車を回る。 この後の☖35飛の歩取りが受からず、先手の桂がいかにも脆い形に見える。 評価値は☗37桂の局面で(-348)後手有利となっていて、その推奨手順どおり進んだ。 17 4六歩(47) *角道を閉じている44の歩を動かし、かつ銀を進出させるための☗46歩だろうか。 NNUE先生によると、この手に変えて☗25歩として☖35飛に☗24歩と攻め合うのが勝ったようだ。 もちろん手抜けない後手は☖同歩だろうが、☗同飛で☖36歩には☗25飛☖同飛☗同桂と、取られそうな桂を活用して飛車交換を行う筋がある(みたいです)。 - 分岐(☗25同桂まで) #241512 依然後手陣には飛車を打ち込む隙はなく、また高く飛んだ桂を狙われるのも心配なところだが、といってすぐに☖24歩や☖29飛は☗23歩で角が詰むため、手番は居飛車、といったところか。 18 3五飛(32) 19 3八金(49) 20 3六歩打 *厳しい歩打ち。 ☗25桂と逃げても☖24歩で桂は助からないが…… 21 4五桂(37) *そこであえて44の歩に桂を差し出し、角道を強引にこじ開けにいった。 22 4五歩(44) 23 2二角成(88) 24 2二銀(31) 25 2五歩(26) 26 3七角打 27 4四角打 *飛車銀取りだが、☖32飛で受かる。 本譜もこのあと☖32飛だったが、代えて☖46角成で飛車にヒモをつけ☗22角成に☖37歩成☗同金(または☗同銀)に☖同飛成!とする強手も有力だったようだ。 そこで☗37同銀は☖同馬が王手飛車で、先に一見タダで銀を取られた後手がいつのまに金得になっている。 ☗18飛と逃げるくらいだが、☖34龍と引いておいて☗21馬に☖55馬と引けば、桂は取り返されたが後手の大駒が盤面全体を制圧している一方、先手の大駒は身動きが取れていない局面が現れる。 - 分岐(☖55馬まで) #241514 いずれにしても(本譜の進行も含め)後手勝勢に変わりはないようだ。 28 3二飛(35) 29 2二角成(44) 30 4八角成(37) 31 4八金(38) 32 2二飛(32) * 33 5五角打 *馬と銀を交換したあと改めて角を打つ二段活用。 34 1二飛(22) *香取りを受ける☖12飛だが、本局で唯一NNUE先生がNNUE先生が後手の悪手を指摘した。 代えて☖32飛が有力だったようで、仮に☗11角成でも☖37歩成がいかにも厳しい。以下☗33歩だろうが、☖48と☗同飛に☖33桂でも☖33飛☗同馬☖同桂でも、更に金得を重ねた後手が良かった。 本譜のこの局面の評価値は(先程まで-2000程度だったのが)-1000程度になったが、依然後手優勢。 35 4五歩(46) *☗24歩と突く手が唯一☖12飛を咎める手だったようだが逃してしまったようだ。 ☗24歩で☖同歩なら☗同飛で先手の飛車が捌けてくるし、☖37銀でも☗23歩成が当然厳しい。 36 3九銀打 37 2九飛(28) 38 4八銀成(39) 39 4八玉(59) * 40 3七角打 41 3七角(55) 42 3七歩成(36) 43 3七玉(48) *先手玉が空中に投げ出されたかのようだ。 先程の☖37角に代えて☖37金では☗59玉で、打った金に対して玉が遠ざかっていた。 44 5五角打 *王手香取り。 45 4六銀打 46 9九角成(55) 47 4三角打 48 2二飛(12) *徹底して角での桂香取りを受ける。 ここでは☖32飛という手もあったようだ。 ☗同馬☖同金でも後手陣に飛車打ちの隙は無い。 49 6五角成(43) 50 3一香打 51 3六歩打 52 5四桂打 53 5五銀(46) 54 8九馬(99) 55 5八金(69) 56 9九馬(89) 57 6八銀(79) 58 5五馬(99) 59 5五馬(65) 60 4六銀打 61 4六馬(55) 62 3八金打 *☗同玉は☖46桂が両取りだが、取るしかない。 63 3八玉(37) 64 4六桂(54) 65 4八玉(38) 66 3六香(31) 67 9九飛(29) 68 2六角打 69 4七玉(48) 70 3七角成(26) 71 5六玉(47) 72 5八桂成(46) 73 4四角打 * 74 4二飛(22) *三たびの☖の角打ちだが、今度はさすがに香を助けるまでもない。 75 1一角成(44) 76 3三桂打 77 4六銀打 78 4五飛(42) *☗同銀は☖55金で即詰み。 33に打った桂が馬の効きを止めているのが大きい。 79 5五銀打 80 6五金打 81 6五玉(56) 82 4六馬(37) 83 5六香打 84 5五飛(45) *☗同香は☖64銀☗66玉☖55馬の3手詰 85 6六玉(65) 86 5六飛(55) *自分なら絶対にやらない飛車切り 87 5六歩(57) *自分なら絶対にやりそうな同歩だが、NNUE先生によると先手玉に詰みが生じた(17手詰) ☖68馬と銀取りに馬を先手玉の下段に回り込めるのが大きいようだ。へええ。 88 6四香打 *もちろん最善手。 そりゃあ読んでないと飛車は切れないですよね……(by読んでなくても飛車切って痛い目を見る人) 89 7五玉(66) 90 7四銀打 91 8六玉(75) 92 6八馬(46) 93 9七玉(86) 94 9五歩(94) *あせらず必死をかける(?) 95 1二飛打 96 3二歩打 97 9五歩(96) *7手詰 98 9六歩打 99 8八玉(97) 100 7七銀打 101 9八玉(88) 102 9七銀打 103 8九玉(98) 104 7八馬(68) 105 投了 まで104手で後手の勝ち