手合割:平手   手合割:平手 先手:石田流 後手:xaby角 手数----指手---------消費時間-- *◆破門級の悪手で勝率6割!? 謎の戦法 対石田流「xaby角戦法」Part3 ~▲7四歩から▲5五角。二枚角型編2~ * *前回は「xaby角戦法」二枚角型の序盤について解説しました。 *今回は16手目以降の駒組みを解説したいと思います。 * *今回からついに「xaby角戦法」が仕掛けに入ります。 *「一人時間差の△7五銀」が攻めのキーワード! *お楽しみください! * *------------ *作者:マイナー将棋ブログ http://minorshogi.com/ *本データ掲載記事:http://minorshogi.com/ishida-style-xabyb-part3/ * *※ライセンスは最終手の棋譜コメントに後述。 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) 3 7五歩(76) ( 0:00/00:00:00) 4 8八角成(22) ( 0:00/00:00:00) 5 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00) 6 5四角打 ( 0:00/00:00:00) 7 7四歩(75) ( 0:00/00:00:00) 8 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) 9 5五角打 ( 0:00/00:00:00) 10 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00) 11 8二角成(55) ( 0:00/00:00:00) 12 8二銀(71) ( 0:00/00:00:00) 13 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) 14 7三銀(82) ( 0:00/00:00:00) 15 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00) 16 7五歩(74) ( 0:00/00:00:00) *前回は△4五角打!△2七角打!と二枚角を自在に操り、先手陣の駒組みを制約する指し方を紹介しました。 * *先手は後手の二枚角を防ぎ、何とかここまで進める事ができました。 * * *今回はここから先手が隙なく駒組みを進めた場合の展開を解説します。 *完全に力戦なので、指す人によって全然違う展開になるでしょう。 * *本棋譜で紹介する手順はあくまで一例。 *一つの参考程度にお読みください。 * * *ここは先手の作戦の岐路です。 *どのように陣形を組み立てるか?どこの歩を突くのか?全部手探りで考えなければいけないのです。 * *歩損をしても投了するには、まだ早い局面。 *先手は諦めず、慎重に駒組みを進めます。 17 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲4六歩から▲4七銀を狙います。 *▲4七銀型を作れば▲3六歩と突けるので、▲3七桂と活用できます。 18 4二玉(51) ( 0:00/00:00:00) *対する後手は一先ず△4二玉と囲います。 * *△4二玉のところ、△5二玉の中住まいや、△6二玉と6筋に囲って先手の2筋の飛車から遠ざかる将棋にする方針もあります。 * * *△6二玉型か、△5二玉型か、△4二玉型か? このあたりは自分の実戦経験と好みで選んでください。 *指し込んで行くと自分に合った玉形が自ずと見えてきます。 * *最善の形はこれだ!という事はなく、指す人次第で大きく方針が分かれます。 19 4七銀(48) ( 0:00/00:00:00) *▲4七銀型を作り、次に▲3六歩~▲3七桂型を作れるようにします。 *桂馬をいつでも使える形にしておけば、攻めの構想は立てれます。 * *そして▲4七銀のもう一つの狙いは、▲5六銀から▲4五銀(▲5五銀)と角にプレッシャーをかける事。 * *さて後手は角をどこに逃げるべきでしょうか? *次の手は△6四歩か? △4四歩か? *今後、角をどう使いたいか考えて歩を突いてください。 20 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00) *●ポイント1 *「二枚角型では2七地点・3六地点を狙いやすい△6三角型が良い。」 * *今回は△6四歩が良い角の逃げ道です。 * *△4四歩~△4三角と逃げると、先手の金銀が二枚も利いている堅い8七地点を狙う事になります。 * *それよりも先手に飛車が一枚しか利いていない2七地点&将来桂頭となる3六地点を角で狙える、△6三角が良い引き場所です。(将来△7四角~△4七角成の角切りも有力手になる。) 21 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) 22 3二玉(42) ( 0:00/00:00:00) *後手は△3二玉から。 23 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) 24 3三銀(22) ( 0:00/00:00:00) *△3三銀と玉を囲いました。 *一先ず一安心の玉形です。 * *ここから後手は△7三銀を使って、先手を囲いにくくし、攻撃陣を組み立てる時間です。 *△7五歩の効果で、先手は▲7七銀と上がれません。(▲7七銀には△7六歩で▲8八銀と引く事になる。) 25 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) 26 7四銀(73) ( 0:00/00:00:00) *位の確保のために△7四銀と上がった局面。 * *実は先手は▲8六歩~▲8七銀と銀冠に組む事ができません。 *どうしてなのか? *先手はここから銀冠に組むと駄目なのでしょうか? 27 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00) *▲8六歩からの銀冠は無理。 * *▲6八玉と左辺に囲うものの、次に囲う手が先手にはない。 28 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) *△4四歩は、将来△4五歩と一歩手持ちにする手を用意した。 29 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) 30 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00) *△7三桂と攻撃陣を作り。 31 5八金(49) ( 0:00/00:00:00) 32 4二金(41) ( 0:00/00:00:00) *△4二金と囲いを完成させます。 * *△3三銀~△4二金型は飛車の打ち込みを警戒したバランスの良い囲いです。 * * *ここから後手はさらに力を溜めます。 * *後手の方針としては、手に困っている先手に一手でも多く指させようとしています。 *そうすれば先手は次第に指す手がなくなり、悪手を指さざるを得なくなります。 *これが作戦勝ちした時、よく出現する方針です。 * *持久戦で作戦勝ちした場合は、自分から仕掛けず一手でも相手に多く指させるのがコツです。 *そうすると自ずと手に困った相手は自爆していきます。 33 2六飛(28) ( 0:00/00:00:00) *先手は何とか右桂を活用したいのですが、その前に▲2六飛が大事な手。 *ここで▲3七桂は悪手で、後手が一気に有利になるからです。 * * *この局面、後手は指したいが多い局面です。(△7六歩、△9四歩~△9五歩、△8四歩、など。) *ここから後手は攻めず、自陣を整える手を指していきます。 *そうすると自然と先手が指し手に困って行くのですから・・・。 34 7六歩(75) ( 0:00/00:00:00) *後手の△7六歩は△6五桂(△8五桂)~△7七歩成の攻め筋を作ったもの。 35 3七桂(29) ( 0:00/00:00:00) *先手は桂を跳ねるぐらい。 * *桂を跳ねておけば、一歩手持ちにした時▲2四歩△同歩▲2五歩の継ぎ歩攻めが可能となる。 36 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *続く△8四歩は先手の▲8六歩をけん制した手。 37 1五歩(16) ( 0:00/00:00:00) *▲1五歩は一手パスのような手です。 *しかし先手は他に代わる手が難しい局面なのです。 38 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) 39 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *△9四歩から▲9六歩の交換も、△9五歩▲同歩△9七歩~△8五桂の端攻めを狙った手です。(この時△8四歩の効果で△8五桂に紐がついている。) *このあたり後手は有効手を連発しています。 * *対して先手が指した手は飛車を浮いて右桂を跳ねたぐらいしか有効な手はありません。 * *▲9六歩は後手に端攻めを与えただけです、しかし他に代わる手が難しい局面。 * *先手が指す手に困り、後手の作戦勝ちとなっています。 *ここからついに「xaby角」が仕掛けます。 40 6五桂(73) ( 0:00/00:00:00) *後手は△6五桂から。 41 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *▲6六歩は桂を責めつつ▲6七金右(▲6七金左)のような受けを作った手。 42 7七桂成(65) ( 0:00/00:00:00) *△7七桂成から仕掛けていきます。 43 7七桂(89) ( 0:00/00:00:00) *後手は△6五桂~△7七桂成と仕掛けました。 *以下▲7七同桂に△同歩成・・・ではないのです! * *一目△同歩成から桂交換をしたい局面です。 * *しかし先手に一歩渡すと、▲2四歩~▲2五歩の反撃があります。 *この局面で歩を渡さない攻めはあるのでしょうか? * *それがあるのです! *では次の一手をどうぞ! 44 7五銀(74) ( 0:00/00:00:00) *●ポイント5 *「先手に歩を渡さない一人時間差△7五銀が決め手。この銀の使い方が「xaby角」二枚角型では大事。」 * *それが△7五銀の一人時間差です! *狙いは次の△6六銀~△7七歩成の7筋攻めです。 *この△7五銀が好手で、先手は受けが効かないのです。 * *もうここまで進むと、先手は7筋は諦めるしかありません。 *仮に先手がここで7筋を放置して駒組みを進めたら、どんな後手の攻めが決まるのか? *最後にその手順を紹介して終わりたいと思います。 * *ここから角銀桂の怒涛の攻めが炸裂します! 45 5六銀(47) ( 0:00/00:00:00) *▲5六銀と上がるが。 46 6六銀(75) ( 0:00/00:00:00) *△6六銀と出て、次に△7七歩成を狙う。 47 8二飛打 ( 0:00/00:00:00) *先手は受からないと見て、▲8二飛から攻める。 48 7七歩成(76) ( 0:00/00:00:00) *△7七歩成から攻めを開始。 49 7七銀(88) ( 0:00/00:00:00) 50 7七銀成(66) ( 0:00/00:00:00) 51 7七金(78) ( 0:00/00:00:00) 52 7六歩打 ( 0:00/00:00:00) *手順が長くなりましたが、やっている事は△6六銀から7筋を攻めただけです。 * *7筋を清算して△7六歩まで進んだ局面。 *後はもうどう受けても先手陣は崩壊します。 53 6七金(77) ( 0:00/00:00:00) *▲6七金寄と横に避けても。 54 7五桂打 ( 0:00/00:00:00) *△7五桂が痛打! 対して▲6六金と逃げても△7七角で王手金取りで先手潰れ。 よってここで△6七桂成の金取りを受ける手立てはありません。 さらに後手はここから△8八角と足して、次に△7七歩成と攻める手もあります。 こうなれば後手勝勢ですね。 こうして先手は「xaby角戦法」の餌食となったのでした・・・。 これで「xaby角戦法」二枚角編は終わりです。 このPart3まで読んだあなたは「xaby角戦法」の基本が完全に体得できたはずです。 「筋違い角棒銀型」と「二枚角型」さえ覚えれば「xaby角戦法」は指しこなせるのですから。 Part2から始まった△5四角に▲7四歩の変化でしたが、これで自信を持って対応できる事でしょう。 これで「xaby角戦法」の解説は全て終わりです。 今回まで紹介した「筋違い角棒銀型」と「二枚角型」の二つさえ覚えておけば、対石田流に自分の土俵で戦えます。 この対石田流のマイナー戦法「xaby角戦法」を使い、石田流使いを苦しめてみましょう。 簡単に覚えられる割に効果は抜群です! さらに詳しく知りたい方は『早石田封じ xaby角戦法』を買って読んでみてください。 ------------ ●「xaby角戦法」二枚角型2ポイントまとめ 1.二枚角型では2七地点・3六地点を狙いやすい△6三角型が良い。 2.先手が桂頭を守らずに▲3七桂と跳ねたら即△3五歩~△3六歩! 3.△6一金型がポイント。▲8一飛・▲6一飛を消す。 これは△5二玉型・△4二玉型共通。 4.先手に一歩渡すと▲2四歩~▲2五歩がある。 歩を渡す時は要注意! 5.先手に一歩も渡さない一人時間差の△7五銀が決め手。 この右銀の使い方が「xaby角」二枚角型では大事。 ------------ データ名:破門級の悪手で勝率6割!? 謎の戦法 対石田流「xaby角戦法」Part3 ▲7四歩から▲5五角。 二枚角型編2.kif 【作者:マイナー将棋ブログ(http://minorshogi.com/)】 【本データ掲載記事:(http://minorshogi.com/ishida-style-xabyb-part3/)】 ※ライセンス表記※ このデータは「クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際」の下で利用できます。 http://minorshogi.com/ishida-style-xabyb-part3/ にある作品に基づいている。 詳細はURL:https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja