手合割:平手 先手:りゅう(ryuu1234Lion) 後手:ヤマ(Shirono138) 手数----指手---------消費時間-- *[将棋ウォーズURL](https://kif-pona.heroz.jp/games/ryuu1234Lion-Shirono138-20191007_214713) 第0期月光戦B級1組(主催 Arjuna https://twitter.com/gekko_sen ) 仮順位2位のヤマ二段と同3位のりゅう初段(対局当時 / 現在二段)との対局の模様をお届けする。 本局は第2節。将棋ウォーズ・10分切負けで、2019年10月7日の21:47に開始した。 解説(感想?)はウォーズ3級の実力者(?)にして本棋戦主催者のArjuna 棋譜解析はNNUEKaiXF 評価値や最善手は基本的に深さ20/ノード1千万を上限として全体解析したものを示すが、分岐や重要局面は上限1億ノードまでで検討している。 [コメントはすべて第0期終結後に記入している] 1 7六歩(77) *振り駒(?)の結果、先手となったのはりゅう初段。 本局時点での今期対戦成績は1勝0敗。同組仮順位5位のマルマイン二段に119手まで、お互いの玉が空中を飛び交う激闘を制し勝利している。 https://kif-pona.heroz.jp/games/ryuu1234Lion-marumain2-20191005_093702?tw=1 初手は角道を開けた。 2 3四歩(33) *後手番となったのはヤマ二段。 本局時点での今期対戦成績は1勝0敗。同組仮順位4位のgurea225二段を相手に88手までで勝利している。先述のりゅうーマルマイン戦よりも手数こそ短いがまた持ち時間の切迫した対局であった。gurea225二段の穴熊を見事に攻略している。 https://kif-pona.heroz.jp/games/gurea225-Shirono138-20191001_211624 ヤマ二段も初手で角道を開けた。 3 6六歩(67) *角道を止める。 ノーマル振り飛車の出だしか。 りゅう初段は先述の第1節では居飛車を採用していた。 ということは雁木の可能性もあるのかと思うが、解説者Arjunaは振り飛車党で、相居飛車のことはよくわかっていない。そんなことで解説が務まるのか。「これは感想文です」と諦めるしかないのか。 4 3三角(22) *早々に角を33に配置。 5 7八飛(28) *飛車を7筋に振った。 いわゆるひとつのノーマル三間飛車である。 6 4二銀(31) *42に銀を上がる。角換わり将棋で見たことのある後手陣。 ヤマ二段は先述の第1節では三間飛車を採用していた。 7 4八玉(59) *玉を囲いにいった。 8 5四歩(53) *5筋の歩を突く。中飛車の可能性が増した? 主催者は中飛車をほとんど指さないため評価値頼みぶりが増すことになる。そんなことで以下略。 9 6八銀(79) 10 5三銀(42) 11 5八金(69) 12 2二飛(82) *向かい飛車に振り、戦型は相振り飛車で確定した。 向かい飛車対三間飛車なら主催者も経験ある形で、正直ホッとしている。 13 3八玉(48) *飛車先に玉を持っていくようで怖いが、そういうものなのである。 14 6二玉(51) 15 2八銀(39) *金無双の構えを見せる。 ☗28銀は銀が壁になるデメリットはあるが、端の対応を考えると必要な手だと聞いたことがある。 16 7二玉(62) 17 5六歩(57) 18 6二金(61) 19 5七銀(68) 20 2四歩(23) 21 9六歩(97) 22 9四歩(93) 23 4八金(49) *先手陣は金無双が完成した。 24 2五歩(24) 25 4六歩(47) *4筋の歩をつく。 4筋は金無双の弱点になりやすいと本で読んだ主催者は自分の将棋ではあまり自分から突くことはないが、NNUE先生によるとこの局面の最善手であった。もっと勉強しないとダメですね。 26 1四歩(13) 27 3六歩(37) 28 2六歩(25) *後手から2筋の歩を交換しにいった。 29 2六歩(27) 30 2六飛(22) *☗27歩と受けては☖36飛と横歩を取る手が王手で先手は持ち歩がない。 ☗37桂で凌げるが、先手は桂頭のケアが大変な将棋になりそうだ(代えて☗37銀では☖35飛~☖25飛と後手の飛車が逃げやすくなりそう) 31 3七桂(29) *次に☗45桂の角銀両取りを見た桂ハネ。後手は受けざるを得ない。 32 4四歩(43) *角道を閉じるが仕方のない受け。 ただしNNUE先生によると、代えて☖35歩が最善手だったようだ。 ☗45桂を許すが、そのまま☖36歩と取り込み玉頭に拠点を作る。桂で角銀どちらを取っても出来た拠点に援軍を送る☖25桂が気になって先手忙しい (分岐 - #240701) 33 2七銀(28) *☗27銀で評価値は一旦後手有利に傾く(-306) 詳細は2手進んだ35手目に述べる。 34 2二飛(26) 35 2六歩打 *先程の評価値の動きは、このあと☖15角と出る手順が厳しかったようだ。☗16歩にも構わず☖26角で、☗同銀☖同飛と進むと先手は持ち駒が角のみとなり玉がかなり危ない。☖同飛までの評価値は後手勝勢(-2060) ☗16歩に代えて☗75歩が最善で、☖26角に構わず☗74歩。ここで後手が角を逃がせば☗73歩成☖同金☗77桂と進んで評価値は互角(126)に戻る。 ☗74歩に☖同歩☗同飛☖79飛と進めば先手の持ち駒に歩が入り、先述の☗26銀☖同飛に☗37歩の受けが生じる。また飛車の援軍も見込めるためさすがに後手は角を逃がすしかない(分岐- #240717)。しかしそれでも依然後手有利(-445)のようだ。 36 5二金(41) *本譜は囲いを固めた。後手も金無双。 評価値は互角に戻る(93) 37 7五歩(76) 38 1五歩(14) *先述の☖15角の可能性が消えた。 39 7六飛(78) 40 8二銀(71) 41 7七桂(89) *先手は石田流の構えを見せる。 42 4二角(33) 43 9七角(88) 44 3三桂(21) * 45 4七金(58) *この局面の評価値は互角(-253)だが若干後手寄り。 46 3二飛(22) *この手より前の評価値は、先手が危ない局面はあったものの概ね±150以内のゼロ近傍で進行していたが、以降解析グラフは若干先手寄り(+300~400前後)で推移し始めた。 2筋を諦め3筋の攻めを見せた手だと思うが、いかにも飛車先が重そうだ。 47 7四歩(75) 48 7四歩(73) 49 7四飛(76) 50 7三歩打 51 7六飛(74) *飛車先の歩交換を経て先手は飛車角が軽い。 52 2二飛(32) *重かった飛車を2筋に戻す。 完全なる手損(45手目の局面と比べ、先手は飛車先の歩が持ち駒になり、さらに手番を握った)だが、これが吉と出るか凶と出るか。 53 3五歩(36) *先手から桂頭を狙いにいく。 先手の桂頭は金銀で守られていて、3筋の攻め合いは先手に分がありそうだ。 54 2四飛(22) *飛車で桂頭を守るが、この手でNNUE先生の形勢判断は先手有利(412)になった。 NNUE先生は☗36銀を挙げた。☖26飛には構わず☗34歩で、☖25桂の逃げに☗同銀を用意している。37に桂がいて後手はこれを☖同飛と取ることができない。☖27歩も☗29歩でなんともないし、☗36金で飛車が詰む格好だ(分岐 - #240702)。故に後手は右辺で動かす駒がない。 55 3六金(47) *本譜は☗36金の次善手。 銀の場合と大差はないが、金が玉から離れるのを若干多少のマイナスとみたか。ただし2筋の守りは堅固。 56 4三金(52) *桂頭の守りに金を繰り出した。 57 3四歩(35) 58 3四飛(24) *2手前に金を繰り出したところだが、ここで☖同金は次の☗35歩が激痛。 59 3五歩打 60 2四飛(34) 61 6五桂(77) *りゅう初段は42秒の小考で65に桂を跳ねた。 62 6四銀(53) 63 7八飛(76) *後手の銀が飛車に迫るのを見て引いた手だろうか。そのまま☖75銀には☗同角で良さそうで3級の解説者にはよくわからないが、NNUE先生も飛車を引く手を次善手に挙げていた(最善も☗74歩☖同歩☗同飛☖73歩から飛車引きで結果の局面は同じ) ただし引き場所は☗79飛で、下段に横利きを通すのが勝ったのだろうか。☗78飛をみて+300~400あたりで推移していた評価値は互角に戻った(とはいえ先手寄りの135)。 ☗78飛に仮に☖71銀としてもNNUE先生はさらに☗79飛を次善に挙げオススメしてくる。 この手の考慮時間は22秒で、10分切れ負けの将棋ではさらに小考といえる。☖64銀は当然読み筋であるはずで、何か誤算があったのだろうか。 64 5五歩(54) *5筋から仕掛けた。 ☗同歩には☖同銀だろうが、☗42角成☖同金に☗74歩で後手は大変そうだ。 65 2五歩(26) *一旦飛車を押し返す。 66 1四飛(24) 67 5五歩(56) *ここで☖同銀なら先程の手順にほぼ合流するが、☗25歩☖14飛を入れていない局面と比べて☖26歩と先手陣を乱す手が入るようで、☗同金なら☖45歩☗同歩に☖55銀となったとき、金が中央から離れた分☖55銀の進出の迫力が違うようだ。 また☖26歩に☗同銀は36の金が浮き、角交換のあと☖69角が飛車金両取りの激痛。 68 5五銀(64) 69 4二角成(97) 70 4二金(43) *☖26歩は入らず角交換が行われた。 NNUE先生の形勢判断は先手優勢(908) 駒割は歩の数まで完全互角だが、先手の飛車が歩越しに後手玉を睨んでいるのに対して後手の飛車は先手の守りも堅い1筋で遊んでいるのと、後手陣は金銀が全く連結しておらず、さらに角を打ち込む場所も多いのを評価してだろうか。 ☗74歩☖同歩☗同飛☖73歩に☗54飛が51の飛車成と55の銀取りの両狙いで後手は受けがなく、有力そうだ。 71 5六歩打 72 6七角打 *☗56歩に最善の応手。 飛車を避けると☖66銀☗同銀に☖56角成が王手銀取り。☗66同銀にかえて☗68銀も☖56角成が王手桂取りで厳しい。 先手は先の☗56歩でチャンスを逃してしまったようだ。 73 7七飛(78) *☗77飛で形勢判断は後手優勢(-977)に 74 5六銀(55) 75 5四歩打 76 5二歩打 *☗53歩成が入るとさすがに厳しいので☖52歩は当然の受け。 先手は54に歩がいるため☗74歩から5筋に飛車を回る筋が消えた。 77 5一角打 78 4三金(42) *53への効きを減らさず33の桂も守る受け。 代えて☖12飛もあったようだ。 79 5六銀(57) * 80 5六角成(67) *先手は銀を手持ちにしたが、王手で馬を作られピンチ。 形勢ははっきり後手優勢となった(-2107)。 81 4七金(48) 82 6六馬(56) 83 6二角成(51) 84 6二玉(72) 85 5七飛(77) 86 5七馬(66) 87 5七金(47) 88 5四金(43) *形勢優位と見て後手は悠然と自玉へのプレッシャーを減じた。 後手は飛車金交換の駒得で、さらに先手玉は飛車に対して剥き出しの格好である。 89 3二角打 *浮いた金と14の飛車の両取り。41に馬を作ることもできる。 ただし54の金はまだしも14の飛車は遊び駒となっておりしかもヒモが付いている。更に後手玉は脇腹を歩でガードしている格好だ。 果たして効果の程は・・・・ 90 6八飛打 91 5八金打 92 6五飛成(68) *じっくり桂を取りつつ54の金にヒモがついた。 93 1四角成(32) 94 1四香(11) 95 3一飛打 96 7四角打 *角が龍ごしに先手玉を睨む。 97 5一銀打 *構わず王手をかけたが、ここで評価値は-31111となった。 後手玉が詰まなければ先手玉に受けがないというところだろうが、先手にこれ以上の持ち駒は無い。 98 5三玉(62) *一旦-31111の評価は外れる。しかし依然-3862で後手勝勢だ。 99 3三飛成(31) 100 6四玉(53) *こうなると先程51に打った貴重な持ち駒の銀が完全に遊んでおり、評価値以上に厳しい印象を受ける。 101 2八玉(38) *角の効きを逃げたが、この局面で後手に21手で勝ちの評価が出た。 102 6九龍(65) 103 3八銀(27) 104 3八角成(74) 105 3八玉(28) 106 4九角打 107 4七玉(38) *ここで☖38銀☗48玉☖39銀の3手詰になる 108 5五桂打 *実戦では最短手順でなくとも、詰みが読めていれば良い。 109 4八玉(47) 110 5八角成(49) 111 5八金(57) 112 3九銀打 113 3八玉(48) 114 2八金打 *ここで先手のりゅう初段が投了。 まで114手で☖ヤマ二段が勝利した。 投了図は先手玉が詰んでいる。 これでヤマ二段は2勝0敗、りゅう初段は1勝1敗となった。 [尚今期の最終成績はヤマ二段、りゅう初段ともに4勝1敗でB級1組の同率首位となった。 月光戦は順位戦にならい同率の場合は順位勝負が基本だが、第0期は特別ルールで直接対決の結果をみるため、本局の結果により明暗が別れる格好となった。]