手合割:平手 先手:角交換四間飛車 後手:居飛車 手数----指手---------消費時間-- *今回は角交換四間飛車+美濃囲いへの対策として有力な玉頭位取りを解説します。 主な方針としては、 ①ボナンザ囲い→玉頭位取りへと組み替えること ②歩を手持ちにしてから、歩の手筋で攻めていくこと ③相手を手詰まりにして駒組の時間を稼ぐこと の3つだと思います。 1 7六歩(77) 2 3四歩(33) 3 6八飛(28) *先手は角道をオープンにした四間飛車。 4 8四歩(83) 5 4八玉(59) 6 6二銀(71) 7 3八玉(48) 8 4二玉(51) 9 2二角成(88) *大抵はこのタイミングで角を交換してきます。 同銀と取らせて壁形にすることでリードする方針です。 10 2二銀(31) 11 8八銀(79) 12 3三銀(22) *2三歩から銀冠に組む変化もありますが、今回はボナンザ囲いを目指します。 13 7七銀(88) 14 3二玉(42) 15 2八玉(38) 16 4二金(41) 17 3八銀(39) *先手は美濃囲いに組みました。 穴熊もありますが、ボナンザ囲いに比べてバランスが悪く、作戦負けしやすいために最近は美濃囲いが多いように思います。 ちなみに振り飛車穴熊に対しては玉頭位取りにできませんので要注意。(もともと振り飛車穴熊自体が玉頭位取りの対策として発案されています) 18 6四歩(63) 19 5八金(69) 20 6三銀(62) 21 1六歩(17) 22 1四歩(13) 23 8八飛(68) 24 5二金(61) *ボナンザ囲いが完成。 居飛車は8筋の歩を突かずに囲いを整備するのがポイント。 無理に攻める手を作ると逆用されるため、8四歩6三銀で待機しましょう。 25 6六銀(77) 26 7四歩(73) *後に桂馬を跳ねてから飛車を下段に引き、2一飛と回る構想です。 27 7五歩(76) 28 7五歩(74) 29 7五銀(66) 30 7四歩打 *歩を手持ちにしたいところではありますが、まだ陣形整備が進んでいないため、戦いを起こさないように進めていきます。 31 6六銀(75) *頑張って手を作ろうとしますが、手詰まり感があります。 32 3五歩(34) *玉頭位取りを目指した一手。 美濃囲いを発展させない意味と、玉のコビンを攻める意味合いがあります。 左辺の形が乱れていると角を打つ筋が生じる場合があるので注意しましょう。 33 8六歩(87) 34 3四銀(33) *位を取ったら位の確保。 35 7七桂(89) 36 7三桂(81) *ここも戦いが起こらないように桂馬を跳ねておきます。 37 9六歩(97) 38 3三桂(21) 39 9五歩(96) *振り飛車から有効な手段がなく手待ちをしています。 40 4四歩(43) 41 5五銀(66) 42 4三金(42) *ボナンザ囲いから玉頭位取りに組み替えました。 この金銀の形を覚えましょう。 弱点は横からの攻めです。 飛車交換には注意しましょう。 もし、飛車を渡すことになりそうな場合には、4二金~4一歩の金底の歩の形を目指しましょう。 43 6六銀(55) 44 8一飛(82) 45 5六歩(57) 46 2四歩(23) 47 4六歩(47) 48 4五歩(44) *前述した底歩の筋と、2筋での歩の手筋を生かすために4筋の歩交換を狙うことが大切です。 49 4五歩(46) 50 4五銀(34) 51 5五歩(56) 52 2五歩(24) 53 4七金(58) 54 2一飛(81) *なんとかもう一歩欲しい居飛車としては飛車を回って揺さぶりをかけていきます。 55 4六歩打 56 3四銀(45) 57 8五歩(86) *飛車が居なくなったので当然攻めてきます。 が、これは居飛車の誘い筋です。 58 8五歩(84) 59 8五桂(77) 60 8一飛(21) *攻められている筋に飛車を回って受けるぴったりの一手。 振り飛車のような感覚です。 61 8六歩打 62 8五桂(73) 63 8五歩(86) *8筋は突破されてしまいましたが、すぐには崩壊しません。 56手目と比較して歩と桂馬を手持ちにしているため、玉頭から攻めていけます。 64 2六歩(25) 65 2六歩(27) 66 2五歩打 67 2五歩(26) 68 2六歩打 *三歩持ったら歩の連打から垂らしの歩という典型的な手筋です。 69 8四歩(85) *歩成りを見せていきますが、少し遅い感じがしますね。 70 7六桂打 *これは玉頭から攻めた後に玉が左側に逃げて来るのを見越して、予め挟撃体制を作っておく意味で桂馬を打ちました。 71 8六飛(88) 72 6八桂成(76) 73 8三歩成(84) *この辺りで飛車を2筋に回って逃げながら攻めて起きたい気持ちもありますが、▲7三と金が銀に当たってしまい振り飛車の攻めがスピードアップしてしまいます。 玉頭位取りは横からの攻めに弱いため、飛車成りがいきなり王手になるような展開や、飛車の睨みで銀がタダになってしまうような展開では玉が持ちません。 ここは相手の攻めをギリギリまで引き付けることがポイントで、8二と金などとさせて攻めを重たくさせることが大切です。 74 6七成桂(68) 75 5七銀(66) * 76 7五角打 *銀引きが悪手で、角を打って咎めにいきます。 77 8五飛(86) 78 5七成桂(67) 79 5七金(47) 80 5七角成(75) *これで挟撃体制が整った上、玉頭から攻めるための金駒も入手しました。 81 8二と(83) *このタイミングで飛車を回る狙いでしたが、金銀を持ったため、玉の頭の位を生かして即詰みがあります。 82 2七銀打 *次に1七玉と避けても詰みます。 答えは↓ ▲1七玉△2五桂▲2六玉で一見受かっていますが、 △3六金と歩の頭に打つのが好手。 ▲同歩△同銀成で成銀と桂馬が働いて詰んでいます。 83 2七銀(38) 84 2七歩成(26) 85 2七玉(28) 86 2六歩打 *逃げると金駒を並べて簡単ですので取るしかありませんが 87 2六玉(27) 88 2五銀(34) *桂馬と銀の連携で王手がつながります。 89 2七玉(26) 90 2六銀打 91 2八玉(27) 92 2七金打 *結果図は詰み。 振り飛車に終盤で悪手がありましたが、それを差し引いても居飛車の作戦勝ちだったと思います。 狙いも分かりやすく指しやすい戦法なのでオススメです。 特に大事なのは、いかに相手を手詰まりにさせて玉側でポイントを稼ぐかということだと思います。 陣形が整いきらないうちに戦いが起きてしまうと攻めが間に合わずに負けることが多いので注意しましょう。