先手:先手 後手:後手 手数----指手---------消費時間-- *居飛車での相矢倉旧24手組みの解説です。 最近は居角左美濃などの流行もあり新24手に変え旧24手組を組む機会も増えてきたと思います。長い時間使っていないと忘れてしまう事もあるので自分で確認もしたいので作りました。 また本格的に矢倉を指したいのでしたらこの解説だけでは足りない事や抜けも多いと思うので下記の本もオススメです。 森下卓の矢倉をマスター この解説を作る上で参考にした棋書でもあり新旧両方の24手組みの解説がされています。 対急戦矢倉必勝ガイド、よくわかる矢倉 この二つは金井恒太さんの本でセットで揃えておくと何かと便利です。 対急戦の方は棒銀や右四間など使用頻度が高い急戦の対策が書かれています。自分で急戦をしかける時はもちろん矢倉の持久戦を目指す時も相手からの急戦は避けれない事も多いので急戦に興味がないかたにもオススメです。 よくわかる矢倉の方は反対に持久戦よりの解説が多いです。また藤井矢倉の解説もされてたりします。 矢倉の本は難しいものも多いですがこの2冊はわかりやすく練習問題もあるので便利です。 ただ今紹介した3冊は最新の本ではないため居角左美濃や4五歩の反発についてはまた別に覚える事になります。 1 7六歩(77) *自然に矢倉を目指すならこの手になります。相居飛車の将棋で初手2六歩なら相掛かりや角換わりになる事が多いと思います。 2 8四歩(83) *後手は居飛車の宣言をしました、陽動振り飛車もありますがここは居飛車と考えるのが自然なところです。 またこの手はある程度居飛車の定跡に詳しくないと指すのは危険になります。と言うのもこの手に対する先手の対応で戦型が決まる事になるからです。 この手にたいして6八銀なら矢倉、2六歩なら角換わり(ただし4手目に後手が3四歩なら横歩取りも考えられます) よってこの手に対して戦型の選択権は先手にあるため矢倉か角換わりどちらかに不安がある時はさけた方がいいかもしれません。 後手から見て角換わりを避けたいのであれば2六歩には横歩取りに誘導、絶対に角換わりにしたいのなら二手目3四歩からの一手損角換わり(ただしノーマル角換わりと違いも多いです)にするなどの方法もあると思います。 相居飛車の将棋はお互いの同意の上で戦型が決まるのでどうしても矢倉の将棋にしたいのでしたらネットなどではなく矢倉に詳しい友人などと事前に同意で指す方が後々に変な癖がつかないのでいいと思います。 3 6八銀(79) *矢倉のオープニングですね、これ以外から始まる矢倉もありますがそちらは変則矢倉や無理やり矢倉などと呼ばれています。 また矢倉を覚えたての時によくある失敗として、2手目に3四歩と角道が空いている時に7八銀と上がってしまうと飛車の横効きが消え8八角成りとタダで角を取られ馬まで作られてしまいます。 そのような理由もあり相居飛車の定跡はお互いの同意の上でなりたっていて、そこが難しい所でもあり面白い所でもあります。 4 3四歩(33) *角道を通す自然な手です。 5 7七銀(68) *角のただ取りを防ぐための手です。 他にもここは6六歩と閉じる手もあります。 6六歩はここから振り飛車に変化する含みや銀が中央に効いてるため後手が矢倉中飛車などにする事への牽制になります。 欠点をあげると後手が右四間などできた時に6五歩のぶつけが生じる事になります。 逆に7七銀は6六の地点に争点を作らないメリットがありますが中央が薄くなってしまうのでどちらも一長一短となります。 ここら辺はその時の流行によって変わるので両方覚えておくのが望ましいと思います。 もし7七銀、6六歩の両方で先手矢倉の勝率が望ましくないとなると矢倉が減り角換わりが増えます、反対に角換わりの先手がきついとなれば矢倉が増える事になります。 他にも理由はあると思いますが矢倉と角換わりどちらが多いかでその戦型で先手が戦えるのかどうかの目安になります。 6 6二銀(71) *変えて7二銀もあり、そちらはほぼ後手の速攻棒銀の変化になります。 本譜の6二銀は攻め以外にも囲いに近づけるなど攻守に手広く、棒銀に絞らないのでしたらこちらをオススメします。 7 2六歩(27) *ここは飛車先保留の5六歩もあります。そちらは飛車先不突き矢倉と呼ばれたりしています。 後回しに出来るものは後回しにするという考えですね。また将来的な2七への打ち込みを消す意味もあります。 とは言えこの手も悪い所ばかりではなく飛車を活用するための自然な手でもあり、後手が急戦できた時2六歩型の方が反撃しやすいなどの長所もあります。 8 4二銀(31) *この銀上がりは2六歩とセットで、ここで上がらないと2五歩からの飛車先交換を狙われた時に受けるには3三角とするしかなく、矢倉にするのが大変になってしまいます。 ただし最近は形によっては3二銀と上がりさらに飛車先交換を許す展開も出ています。 9 4八銀(39) *これは6手目の6二銀とほぼ同じ意味です。 10 3二金(41) *矢倉作りはもちろん浮いた角に紐をつける意味や4一玉のルートを作る手。 また3二金に変え8五歩から強襲を狙う方法もあります。8五歩にたいして7八金と受けられたら不発になりますが金で受けずにそこで5六歩などなら、4八の銀で飛車の横効きが消えてる事を狙い8六歩、同歩、同飛と攻め、仮に同銀と飛車を取れば8八角成り。飛車と角の交換は状況によって価値が変わる事が多いですがこの場合玉を囲いたい場所に馬、その上4筋の金銀が壁となり後手優勢です。 11 7八金(69) *10手目の3二金と同じような意味、また先ほどの強襲を事前に受けています。 12 4一玉(51) *居玉を避けます、急戦をしかけるにしても1マスよっておくのは大きいです。 13 6九玉(59) *相手が玉に一手使ったのでこちらも居玉を避けます。 14 5四歩(53) *序盤は奇数の歩を突けと言う格言があります、奇数の歩を突く事で銀や角場所によっては桂馬も動かしやすくなります。また単純に中央の位は価値があります。 15 5六歩(57) *こちらも中央の歩を突きます。 16 5二金(61) *ここまでくればほぼ持久戦の流れになります。 先手の中央が7七銀型のため薄いと見て5二金を指さずに矢倉中飛車を目指す方法もありましたが、金が5二にあるためその可能性は少なくなりました。 17 5八金(49) *金を囲いに寄せます。 18 3三銀(42) *後手も矢倉の完成を目指します。 19 3六歩(37) *銀桂のルートを確保し攻めやすくします。 20 7四歩(73) *後手も同じく攻めの準備。 21 7九角(88) *8八のままでは角が使いずらく玉を囲うにも不便になります。 22 3一角(22) *後手も角の活用。 23 6六歩(67) *後々に6七金と上がるスペースを作成。 24 4四歩(43) *これも同じ意味。 これで旧24手組みは終わりです。 先後同型の攻守のバランスが取れた陣形です。 矢倉は長い歴史の中で試行錯誤の末定跡が作られて来ましたが今後も変化する事が考えられます。 24手の丸暗記も効果はありますが1手1手の意味や対応する手を覚える事で相手が変化したり定跡が変わったとしても対応しやすくなると思います。