後手番 後手の持駒:  9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v玉v角 ・|二 |v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ ・ 飛 銀 ・ ・ 銀 玉 ・|八 | 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:  先手:三間飛車 後手:嬉野流 手数----指手---------消費時間-- *### 初めに ノーマル三間飛車は嬉野流の「天敵」とされている。実際、Twitterなどを見てみても、やはり苦手としている人が少なくないようだ。斜め棒銀が決まりにくいというのがその主たる理由で、特に後手番となるとどう指して良いのか悩んでいるケースが多々見受けられる。というわけで、本記事では先手番のノーマル三間飛車に対してどう駒組みをしてどう仕掛けるのが有力なのかを探っていきたい。個人的には相振りにするのが手っ取り早いと思っているのだが、それはそれで好き嫌いが分かれるようなので、今回はとりあえず居飛車限定で見ていく。なお、記事内に出てくる評価値はすべて浮かむ瀬のものである。 ### パターン① △4四銀から飛車角総交換を目指す指し方(本譜) 方針が明確でそれなりに破壊力もあるので、これを第一の狙いとして指していくと分かりやすい。 ![photo](http://art41.photozou.jp/pub/895/3200895/photo/242904687_org.v1478661187.png) ### パターン② 5筋の位を取り、中央から押していく指し方→ #20292 パターン①を防がれたときにはこちらで行きたい。難解な捻り合いになりやすいが、十分戦える。 ![photo](http://art41.photozou.jp/pub/895/3200895/photo/242904680_org.v1478666617.png) ### パターン③ 居角のまま戦う指し方→ #20295 あまり居角で仕掛ける人はいないかも知れないが、こんな指し方もある。 ![photo](http://art25.photozou.jp/pub/895/3200895/photo/242929127_org.v1478635812.png) ### おまけ 変則的な棒銀で1筋を突破する指し方→ #20296 基本図から浮かむ瀬とShogi686を対局させていたら出来た棋譜。どう見ても無理筋だが、面白かったのでついでに紹介。 ![photo](http://art41.photozou.jp/pub/895/3200895/photo/242930722_org.v1478646747.png)   ### 参考書籍 ![photo](http://art25.photozou.jp/pub/895/3200895/photo/242929083_org.v1478635811.jpg) [**アマゾンへGO**](https://www.amazon.co.jp/%E5%A5%87%E8%A5%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80-%EF%BD%9E%E5%AC%89%E9%87%8E%E6%B5%81%E7%B7%A8%EF%BD%9E-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%93%E5%B0%86%E6%A3%8BBOOKS-%E5%A4%A9%E9%87%8E-%E8%B2%B4%E5%85%83-ebook/dp/B00WYOPYHO) 1 3一角(22) *まずは飛車角総交換を目指す指し方を見ていく。 2 6六歩(67) 3 4四銀(53) *6四ではなく4四に出るのがポイント。 4 6七銀(68) *ちなみにここで狙いに気づかれて▲8八飛とされると、飛車角総交換はできない。その場合はパターン②の中央から攻めていく方針に切り替えたほうが分かりやすい。 5 8六歩(85) *ここでいきなり仕掛ける。なお、飛車に紐をつけておくことが重要なので、右銀は7一から動かしてはいけない。 6 8六歩(87) 7 8六角(31) *▲8三歩の変化は→ #20357 ▲8五歩の変化は→ #20358 8 8八飛(78) *ここで△8五歩と打つのも対抗形ではよく出てくる手筋だが、 9 7七角成(86) *そんなことはせずに7七角成り。ちなみに△8五歩だと陣形差もあって先手有利。 10 8二飛成(88) 11 8二銀(71) 12 7七桂(89) 13 8九飛打 *▲5八金の変化は→ #20290 14 7九飛打 *金と香車を同時に守るにはこれしかない。 15 8六飛成(89) *△同飛▲同金は先手有利。8三まで一気に引くと▲8五歩から▲8九飛とされて龍が窮屈なので、一旦8六に成っておく。 16 8七歩打 *取ると▲9六角があってやや損。 17 8三龍(86) *この時点で後手有利。浮かむ瀬の評価値は-400前後。ここから先は少しペースダウンして、じっくりした展開に持っていく。 18 8九飛(79) * 19 8五歩打 *できれば打ちたくない歩だが、相手に伸ばされると面倒なので仕方がない。 20 5八金(69) 21 7四歩(73) 22 5六歩(57) 23 1四歩(13) 24 1六歩(17) 25 7三銀(82) 26 4六歩(47) 27 6四銀(73) *今度は中央から攻めていく。 28 6五歩(66) 29 5三銀(64) * 30 4七金(58) 31 5五歩(54) 32 5五歩(56) 33 5五銀(44) 34 5九飛(89) 35 5四歩打 36 5六歩打 *△4四銀と下がっても後手有利は変わらないが、 37 4六銀(55) *ここはこの手が成立する。 38 4六金(47) 39 6八角打 40 5五歩(56) 41 5五歩(54) 42 6六角打 43 4六角成(68) 44 5五角(66) 45 5五馬(46) 46 5五飛(59) 47 5四歩打 48 5八飛(55) *駒割的には金と銀を交換しただけだが、自陣龍が手厚く、後手陣には大駒を打ち込む隙がない。形勢は後手優勢。 49 2四角打 50 6八銀打 51 5二金(61) 52 6六角打 53 5五金打 54 5七角(66) 55 5七角成(24) 56 5七銀(68) 57 8六歩(85) 58 8六歩(87) 59 8六龍(83) *後手勝勢。棋譜は一応詰みまであるが、解説はここまで。 60 5六銀(67) 61 6九角打 62 5九飛(58) 63 5六金(55) 64 5六銀(57) 65 7八角成(69) 66 4六角打 67 7七馬(78) 68 6八金打 69 6六馬(77) 70 6七金(68) 71 8四馬(66) 72 9一角成(46) 73 4八銀打 74 6九飛(59) 75 4九銀成(48) 76 4九飛(69) 77 4八金打 78 4八飛(49) 79 4八馬(84) 80 4九歩打 81 3八馬(48) 82 3八玉(28) 83 8八龍(86) 84 4八金打 85 5九銀打 86 7七角打 87 4八銀成(59) 88 4八歩(49) 89 7七龍(88) 90 7七金(67) 91 5九飛打 92 4九銀打 93 5七桂打 94 5八銀打 95 4九桂成(57) 96 4九銀(58) 97 3九金打 98 3九玉(38) 99 5八角打 100 2八玉(39) 101 4九角成(58) 102 3六歩(37) 103 3九馬(49) 104 3七玉(28) 105 5六飛成(59) 106 1八飛打 107 2九馬(39) 108 3五金打 109 3四銀打 110 3四金(35) 111 2五桂打 112 2六玉(37) 113 3四歩(33) * 114 2四銀打 115 2四歩(23) 116 3五桂打 117 4五金打 118 4三桂成(35) 119 4三玉(32) 120 4四香打 121 4四銀(53) 122 4六馬(91) 123 3七銀打 *以上、計138手で後手勝利。 パターン②を見る→ #20292 パターン③を見る→ #20295 おまけを見る→ #20296