手合割:平手   手合割:平手 先手:石田流三間飛車 後手:新xaby角戦法 手数----指手---------消費時間-- *◆【第3回 誰も知らないマイナー戦法】 単純明快!「GAVA流 鏡の左早繰り銀」Part4『対升田流▲7七銀~▲7六角』鏡の相居飛車型 * *前回:Part3(https://shogi.io/kifus/257776) * *この石田流破りの「鏡の左早繰り銀 新xaby角」戦法もPart4まで来ました。 *先手の3手目▲7五歩に対し、4手目△8八角成から *先手に強制的に相居飛車にさせる「新xaby角戦法」の解説もついに今回で最後です。 * *今回のPart4では、7手目▲7七銀の△6五角に対して▲7六角と打つ変化を解説します。 * *この手に後手が十分戦えるとなれば、後手は早石田に対して4手目角交換を堂々と挑む事ができるのですから…。 * * *------------ *作者:マイナー将棋ブログ https://minorshogi.com/ *本データ掲載記事:https://minorshogi.com/3st-minor-tactics-that-no-one-knows-part4/ 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *それではさっそく初手からの解説を始めましょう。 * *まずは角道を開ける。次に▲7五歩と突いて、石田流三間飛車を狙うための絶対手。 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *本戦法は後手の戦法。 3 7五歩(76) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲7五歩と突き、石田流を明示します。 4 8八角成(22) ( 0:00/00:00:00) *もう毎度おなじみで、4手目△8八角成。 *これで先手に▲6六歩~▲7八飛~▲7六飛の「石田流本組み」に組ませる事を阻止します。 5 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲同銀と取る。 * *▲同飛と取る手には△4四角or△1四歩 ▲1六歩に△4五角から超力戦相振り飛車にする「GAVA流」のオリジナル戦法があり後手十分。(Part2で解説している。) 6 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *後手は△2二銀と上がる。 7 7七銀(88) ( 0:00/00:00:00) *ここで▲7七銀が升田式石田流を考案した升田幸三 実力制第四代名人が当時1970年に先手を持った時に初めて指した一手。 * *この手の狙いは、ここから次に▲8八飛のダイレクト向かい飛車を狙う事です。 8 6五角打 ( 0:00/00:00:00) *先手の8七・4七地点の両方を狙う、この△6五角!が▲7七銀と上がった手を咎めに行く一手。 *この手自体はこの局面を迎えたらすぐ見えるでしょうが、問題はここから先手の受けに対してどのような構想を立てるか。 * *ここでは先手に2つの受けがあります。 *それは▲3六角(Part3で解説:https://shogi.io/kifus/257776)と▲7六角です。 *この2つの手は8七・4七地点の片方を守りつつ、後手陣へ角成りを見せる攻防一体の角打ちです。 * *さて…この角打ちに後手が見せる、もう一つの新構想とは…? 9 7六角打 ( 0:00/00:00:00) *というわけで、後手の8手目△6五角に対し *▲7六角!と受けるのが、升田幸三実力制第四代名人が自著で△6五角に対する受けと書いていた手です。 * *ちなみにこの局面で△4七角成は悪手で、以下▲5八金右 △2五馬 ▲4三角成 △3二金 ▲5三馬 △6二銀 ▲5四馬 △4二玉 ▲4八飛と進み先手十分となります。 * *よってこの▲7六角に後手が指す手は一つしかありません。 10 7六角(65) ( 0:00/00:00:00) *後手は△同角と応じ。 11 7六銀(77) ( 0:00/00:00:00) *▲同銀と取る一手に。 12 3三銀(22) ( 0:00/00:00:00) *●「鏡の左早繰り銀 対▲7六角」のポイント1 *「ひとまず△3三銀と上がり、先手の早い動きを封じる。」 * *スッと△3三銀と上がります。 *先手の早期の仕掛けを封じる狙いがあり、地味な好手です。 * *この局面で▲6五銀なら△2二飛と振って先手の攻めは不発に終わります。 * *先手が早く動こうにも、後手は△3三銀型のため▲5五角のような手が一切生じないのです。 *そしてこの先手を▲7六銀型へ誘導させる事が、後手の真の狙いであり…。 * *この局面で先手は飛車を振る場所が限られており、▲6八飛や▲8八飛と振る手は成立しません。 * *つまりこの12手目△3三銀の局面は、無理に攻めると後手にしっかりと受けられた後にカウンターを食らい、迂闊に飛車を振ると△5四角・△4五角があるのです。 *よって先手はここから振り飛車にするには、しっかりとした読みが要求される局面となっています。 *&・ポイント1「速攻封じの△3三銀」 13 7八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *後手の△5四角を防ぎながら、先手が飛車を振る方法は▲7八飛しかありません。 * *これならここで△5四角(△4五角)と打つ手には▲3八金(▲3八銀)で受かっています。 * *ちなみにもし後手がこの局面から△6二銀から居飛車にすると、以下▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3二玉と進み、先手はここから▲6六歩~▲8六歩と突き、いつでも▲8五歩・▲6五歩と伸ばして動いて攻めの主導権を握ることができ、先手十分となります。 *というわけで、この13手目▲7八飛の局面は、先手がかなり指しやすい局面…と思いきや? * *…なんと一見苦しいと思われた局面から、たった2手で先手陣を咎めてしまいます。 14 2四歩(23) ( 0:00/00:00:00) *なんと後手は△2四歩と突きます。 *(ここはいきなり△4二飛でも良いが、16手目で即△2五歩と突く手も見せている。) 15 5八金(69) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲5八金左と上がる。 *迂闊に右辺へ玉を寄せずに様子を見た手。 16 4二飛(82) ( 0:00/00:00:00) *●「鏡の左早繰り銀 対▲7六角」のポイント2 *「後手は△4二飛から相振り飛車にして、以下△7二金~△2五歩~△2二飛の向飛車を狙う。」 * *なんと後手は△2四歩~△4二飛!と相振り飛車にするのが真の狙いだったのです。 * *以下後手はこの局面から△7二金~△2五歩~△2二飛と自陣の隙をなくしてから2筋へ飛車を振る事を狙います。 *ただそれを実現するだけで、後手が有利になるのですから…。 * *なおこの△4二飛では、代えて△2四歩 ▲5八金左に△2五歩 ▲2八銀 △2二飛とダイレクトに飛車を振る方が、実は局面的に後手が手得してかなり指しやすくなります。 * *…よって手の善悪にこだわるなら、実はこの局面ように△4二飛と振るより△2二飛と振る方が後手一気に良くなるのですが *序盤に乱戦の変化が生じるのと、15手目で▲5八金左と上がらずに▲2八銀 △2五歩 ▲3八金としっかり備えて△2二飛に▲6五角を狙う変化もあるため、乱戦の変化を全て消して確実に狙いの形へ組める、この16手目△4二飛をここでは推奨します。 *&・ポイント2「変化潰しの△4二飛!」 17 2八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *一見先手が指しやすそうに見えた局面でしたが、ここから5手でとんでもない事になります。 * *先手は▲2八銀と上がり2七地点を守る事で、のちに▲8八飛とした時の△5四角を消しておきます。 18 7二金(61) ( 0:00/00:00:00) *対する後手も△7二金と上がり8三・7三・6三地点を守る事で、のちに先手からの▲6五角を消します。 19 8六歩(87) ( 0:00/00:00:00) *そこから先手と後手は▲8六歩と伸ばし、次に▲8五歩~▲8八飛の向かい飛車を狙います。 20 2五歩(24) ( 0:00/00:00:00) *後手も2筋を伸ばし、△2二飛を狙う。 21 8五歩(86) ( 0:00/00:00:00) *しかし次の一手を見た時、先手の指がピタッと止まるのです。 22 2二飛(42) ( 0:00/00:00:00) *●「鏡の左早繰り銀 対▲7六角」のポイント3 *「後手は向飛車にして△2六歩を狙うだけで、先手は動き辛くなる。▲7六銀型を狙う必殺の△2六飛&△5四角!」 * *この瞬間、先手の指がピタリと止まる。 * *先手が指したい手は▲8八飛です。 *そこから何もなければ、8筋の歩を切った後に▲8六飛・▲7七桂型へ組むのが狙いです。 * *しかしこの22手目△2二飛の局面を迎えてみると、それは絶対にありえない夢物語だと先手は察するのです。 * *先手はこの局面で▲8八飛と指すと、以下△2六歩 ▲同歩 「△2六同飛!」となり▲7六銀・▲2八銀の両取りとなってしまうからです。 * *ではこの局面で▲8八飛と指さずに▲4八玉~▲3八玉と囲って、動かずにゆっくりしていると後手は△4四銀~△3三桂~△3五銀から2筋を攻めた後に「△5四角!」と打って先手の▲7六銀と▲2七地点を狙う手が生じます。 * *この「△2六同飛!」と「△5四角!」の2つの攻め筋があるため、 *先手は「迂闊に▲8八飛とできず、あまりゆっくりとしていると△5四角で▲7六銀を狙いつつ2筋突破を狙われる。」という状況になってしまっているのでした。 * *つまりこの22手目時点で先手は▲7六銀型という形のせいで、既にかなり動き辛い将棋となっているのです。 *&・ポイント3「必殺の飛角!」 23 3八金(49) ( 0:00/00:00:00) *先手はここで▲4八玉と上がる事すらできません。 * *先手は8筋で▲8六歩~▲8五歩の2手を指してしまったので、右辺の▲2八銀が浮き駒になってしまっているため玉を囲うと隙ができてしまうのです。 *そして先手▲7六銀型のため△4四角で9九への角成りを見せる手があり、先手陣には攻められる隙がありすぎて既にまとめるのが大変な局面となっているのでした…。 * *よってここで、先手は別の囲い方を考える必要があります。 *それが▲3八金です。 *これで2七地点を守りつつ、先手陣に浮き駒ができないようにします。 24 4四銀(33) ( 0:00/00:00:00) *対する後手は△4四銀~△3三桂で「左早繰り銀」の攻撃陣を作りにいきます。 25 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲6六歩~▲6七金で、▲7六銀に紐をつけにいきます。 26 3三桂(21) ( 0:00/00:00:00) *これで後手はいつでも△2六歩から歩交換ができます。 27 6七金(58) ( 0:00/00:00:00) *先手も▲6七金と上がり、6六の歩と7六の銀を取られないようにします。 * *互いに最善を尽くすと、こうしてジワジワと駒組み合戦になるのが本戦型の特徴です。 *これより後手は理想の攻撃陣を作って玉を囲うのですが、どんな形に組むのでしょうか? * *これより後手は2二の飛車を動かすのですが、どこに置くのが良いのでしょうか? 28 2六歩(25) ( 0:00/00:00:00) *後手は△2六歩から。 29 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *取る手に。 30 2六飛(22) ( 0:00/00:00:00) *飛車を走り。 31 2七歩打 ( 0:00/00:00:00) *●「鏡の左早繰り銀 対▲7六角」のポイント5 *「飛車の位置は攻めるなら△2四飛型。待ってカウンターを狙うなら△2一飛型。」 * *▲2七歩と打ち、後手の飛車の引き場所を聞きます。 * *さてここは二通りの飛車の引き場所があります。 *△2四飛・△2一飛のどちらも有力です。 * *△2四飛は積極的に動く攻撃的な引き場所。 *△2一飛はじっくり固い玉に囲って、8筋から逆襲する含みを見せる守備的な将棋となります。 *&・ポイント5「攻撃的な△2四飛型」 32 2四飛(26) ( 0:00/00:00:00) *しかし今回はわかりやすく動ける手が多い、このの32手目△2四飛と浮く手を本手として解説します。 * *ここから後手の狙いは、△3五歩~△4五銀で△2四飛の横利きを通して8四地点を飛車で受ける手を作る事です。 33 8八飛(78) ( 0:00/00:00:00) *ここで▲3六歩と△3五歩を拒否する手は、以下△3二金 ▲3七銀 △3五歩 ▲同歩 △同銀の「左早繰り銀」の攻めがあり後手十分。 * *これより後手は△2四飛型を生かすために駒組みを進めますが、少しだけ細かい注意点があるのでそこだけ気をつけましょう。 * *後手はここから△3五歩~△4五銀としたいのですが…。 * *なおこの33手目▲8八飛の所で、▲5八玉のような、先手の飛車の横利きを止める手なら即△3五歩~△4五銀で後手満足。 34 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *●「鏡の左早繰り銀 対▲7六角」のポイント6 *「先手からの▲4六歩~▲4八飛で4三地点を狙ってくる手に注意。」 * *ここで△3二金と上がる手が、後手陣の4三・2二地点の隙を消した大事な一手。 * *この手を指す前に△3五歩~△4五銀とすると、先手に▲4六歩~▲4八飛で後手の4三地点に龍を作る手を狙われ後手不利となります。 *なので後手はこの先手からの▲4六歩~▲4八飛を防ぐために、一度△3二金と上がったのです。 * *これなら4三地点や2二地点に隙がなく、後手は安心して△3五歩~△4五銀を狙えます。 * *先手に▲4六歩~▲4八飛と飛車を横に使ってくる手がある場合は、一度4三地点を守る手を優先して指しましょう。 *&・ポイント6「4三・2二を守る金」 35 7七桂(89) ( 0:00/00:00:00) *先手はここで▲8四歩と突きたいのですが、いきなり▲8四歩だと以下△同歩 ▲同飛に△9五角の王手飛車があるため、一度▲7七桂と跳ねます。 36 3五歩(34) ( 0:00/00:00:00) *後手は△3五歩と突いて、次に△4五銀と銀を出る手を見せますが。 37 8四歩(85) ( 0:00/00:00:00) *先手もそれが間に合う前に▲8四歩から8筋を切ってから。 38 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *取る一手に。 39 8四飛(88) ( 0:00/00:00:00) *▲8四同飛からの歩交換に先手は成功しました。 40 8二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *後手は先手の飛車の8筋交換に対し、8三に歩を打たずに△8二銀と上がるのが大事。 41 8六飛(84) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲8六飛と浮き、これで左辺の駒をようやく使えるようになりました。 42 4五銀(44) ( 0:00/00:00:00) *後手は8三に歩を打たずに△8二銀型を作り、△4五銀と上がります。 *これが最後の大事なポイントで、後手の△2四飛を生かすための手です。 * *後手の次の狙いはここから△5二玉~△8三銀と上がり、次に△8四飛や、△8四歩~△7四歩~△同飛~△2四飛~△7三桂と右桂と右銀を使って右辺から攻める狙いがあります。 * *ここまで進んでみると、先手が8筋交換した手も上手く逆用して形勢は互角なものの、攻めの主導権を握った後手ペースの将棋となっています。 * *序盤に先手が角交換で2手も得したのに、 *結局▲7八飛・▲7六銀の悪形を直す援護をするために *▲6六歩~▲6七金といった損な2手を指さざるを得なくなってしまったのが原因です。 43 5八玉(59) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲5八玉と上がり、攻められる2筋から玉が遠い中住まいに囲います。 * *あとはもうほとんど注意点もなく、一気に最後まで進めて後手作戦勝ちで終わりとなります。 44 5二玉(51) ( 0:00/00:00:00) *対する後手もいきなり△8三銀だと▲8二歩 △同金 ▲7一角 △7二金 ▲5三角成で馬を作られてしまいます。 * *なので5三地点の隙を消すため、一度△5二玉と上がる手も絶対。 45 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *手がなくなった先手は▲9六歩と突きますが。 46 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) *後手は△9四歩と受けておきます。(これでのちに△9三桂~△8五歩の攻めが狙える。) 47 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) *残る手は▲1六歩と1筋の端を突く手ですが。 48 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *これも後手は△1四歩と受けて不満ありません。(これでのちに△1五歩の端攻めが生じる。) * *後手は動く手がたくさんあり、攻めの主導権を握った将棋となっています。 * *まずこの48手目の局面から後手には△8四歩~△8三銀といった攻撃手段があります。 *どれも自陣の駒を活用して攻めを作る理にかなった手で、 *この攻めが常時あるため後手は攻め手に困らない将棋となっているのです。 * *ちなみにこの48手目で先に▲8四歩と打つ手は△8三歩 ▲同歩 △同銀で銀を上がれて後手不満なし。 49 6五歩(66) ( 0:00/00:00:00) *例えばここから適当に▲6五歩と待った手に対し、上記の△8四歩~△8三銀の攻め筋を試してみましょう。 * *かなり強力で先手は困る羽目になります。 50 8四歩打 ( 0:00/00:00:00) *△8四歩は、次に△8三銀型を作り7四地点を厚くしてから、△7四歩から7筋の歩を交換して△7三桂と跳ねる狙い。 51 6八金(67) ( 0:00/00:00:00) *先手はもう駄目だと感じ、ここでひたすら待ってくるとどうなるか? 52 8三銀(82) ( 0:00/00:00:00) *△8三銀と銀冠の形を作り、ここから後手はどんどん攻撃陣を作る。 53 6七金(68) ( 0:00/00:00:00) *先手はここから手待ちをする。 54 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *△7四歩から7筋の歩を持ちつつ、次に△7三桂と跳ねるスペースを作る。 * *この手は地味ながら価値の高い手なのでしっかり狙っていこう。 55 7四歩(75) ( 0:00/00:00:00) *取る手に。 56 7四飛(24) ( 0:00/00:00:00) *△同飛から7筋の歩を持ち、これで次に△7三桂と跳ねる準備ができた。 57 7五歩打 ( 0:00/00:00:00) *先手は▲7五歩と打ち、後手の飛車を追い払う。 58 2四飛(74) ( 0:00/00:00:00) *△2四飛で後手は次に△7三桂を跳ねる事ができる。 * *これで次に△7八歩と打てるのが非常に大きい。 59 3九銀(28) ( 0:00/00:00:00) *ここで▲6八金と指すと後手の狙い筋がわからないので、ここは一度▲3九銀と引いてもらう。 60 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00) *●「鏡の左早繰り銀 対▲7六角」のポイント7 *「△3五歩~△4五銀で△2四飛の横利きを遠し、上がった△8二銀を△8三銀~△7三桂と使って8筋から動く手を見せる。」 * *△7三桂!ここまで進むと、後手陣は両桂を跳ねることができ、全く遊び駒がない状態です。 *&・ポイント7「後手の超理想形」 61 2八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *▲2八銀とさらに手待ち。 * *さて…ここから後手はどんな攻めを狙っているのか? *以下の手筋は実戦では水面下で頻出するので、ぜひ覚えておこう。 62 8五桂(73) ( 0:00/00:00:00) *後手はこの△8五桂の桂交換から7筋の歩を使い、先手陣を崩す手がある。 63 8五桂(77) ( 0:00/00:00:00) *桂交換に応じる。 64 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *△同歩と取る手に。 65 8五銀(76) ( 0:00/00:00:00) *▲同銀で桂交換となった。 66 8四歩打 ( 0:00/00:00:00) *次に▲8四歩があるため、ここは後手△8四歩の一手。 67 7六銀(85) ( 0:00/00:00:00) *先手は▲7六銀と引くしかない。 * *この局面から後手は歩を使って先手陣の隙を突く。 68 7八歩打 ( 0:00/00:00:00) *△7八歩!が好手。 *次に△7九歩成があるため、先手はこれを受ける必要がある。 * *上図から▲7九飛・▲6八玉の変化があり…。 69 8九飛(86) ( 0:00/00:00:00) *まずは△7八歩に▲8九飛と引く手を解説しよう。 * *▲8九飛は△7九歩成に▲同飛と取る手を用意したが。 *これは8八地点に隙ができてしまう。 70 7九歩成(78) ( 0:00/00:00:00) *△7九歩成から歩を成り捨て。 71 7九飛(89) ( 0:00/00:00:00) *飛車で取る一手に。 72 8八角打 ( 0:00/00:00:00) *△8八角!と打ち、以下▲8九飛に△4四角成・△5五角成で *馬を作る筋があり後手十分。 * *これはかなり出来すぎた変化なのですが、後手の狙っている攻め筋が全て詰まった理想の手順なので頭の片隅に入れておいてください。 *必ず実戦で使える時が来るでしょう。 * *とにかく60手目△7三桂の局面のように、浮き飛車に構えて△8三銀~7三桂型を作れれば、後手は攻めに困らず作戦勝ちとなるのですから…。 * * *--------- * * *以上が『GAVA流 対石田流 鏡の左早繰り銀 新xaby角戦法』の升田流7手目▲7七銀~▲7六角への対策手順です。 * *序盤で先手が2手も得して大きくリードしていると思われた将棋でしたが、 *その得した2手が『相居飛車模様の相振り飛車』へ誘導されるととんでもない悪手となってしまう…。 *目から鱗のような逆転の発想で、先手の▲7八飛・▲7六銀型は咎められてしまったのでした…。 * *そして実戦で本戦法を投入してみるとわかるのですが、 *まず先手の石田流側はここまで上手く指すことはできません。 * *なぜなら本戦法は「相居飛車感覚」が要求される将棋で、 *今まで指しなれた「金無双・美濃に囲ってさぁこれから」という *通常の相振り飛車の将棋でないのですから…。 * *9手目▲7六角・▲3六角のどちらに対しても、 *先手に相居飛車を強制させる"GAVA式 xaby角流"の思想は見事炸裂したのでした…。 * *------------ * *●GAVA流「新鏡の左早繰り銀」 Part4 ポイントまとめ *1.ひとまず△3三銀と上がり、先手の早い動きを封じる。 * *2.後手は△4二飛から相振り飛車にして、以下△7二金~△2五歩~△2二飛の向飛車を狙う。 * *3.後手は向飛車にして△2六歩を狙うだけで、先手は動き辛くなる。▲7六銀型を狙う必殺の△2六飛&△5四角! * *4.後手の狙いは▲7八飛・▲7六銀を「相居飛車的な悪形」へ誘導する事。 * *5.飛車の位置は攻めるなら△2四飛型。待ってカウンターを狙うなら△2一飛型。 * *6.先手からの▲4六歩~▲4八飛で4三地点を狙ってくる手に注意。 * *7.△3五歩~△4五銀で△2四飛の横利きを遠し、上がった△8二銀を△8三銀~△7三桂と使って8筋から動く手を見せる。 * *------------ * *作者:マイナー将棋ブログ(https://minorshogi.com/) * *本データ掲載記事:https://minorshogi.com/3st-minor-tactics-that-no-one-knows-part4/ *↑詳しい解説はこちらの記事で。